金本監督また黒田に勝てず「主軸が…」

 「阪神1-4広島」(20日、甲子園球場)

 また天敵を打ち崩せず、最後は延長戦で力尽きた。阪神は広島先発の黒田から再三好機を作りながら、1点止まり。守護神マルコス・マテオ投手(32)で逃げ切りに失敗し、延長十二回に勝ち越しを許した。金本知憲監督(48)は「主軸がしっかり打たないと」と決定打を欠いた打線を嘆いた。これで黒田には昨季から9戦勝ちなし。今季延長戦は3連敗。同じ失敗を繰り返す姿は、もう見たくない。

 またも「黒田の呪縛」は解けなかった。九回。下半身の張りで5試合登板から遠ざかっていたマテオがマウンドに上がったが、制球が定まらない。先頭の丸に四球を出すと、新井への4球目が暴投となりピンチを拡大。2ゴロの間に三進を許し、エルドレッドに痛恨の同点犠飛を浴びた。

 この試合前まで日本球界復帰後の黒田の登板試合は7敗1分けだった。負の連鎖を断ち切るべく、岩貞がレジェンドを相手に対等以上の好投。セ・リーグ最高打率を誇る強力打線に二塁すら踏ませず、7回無失点でタスキをリリーフ陣に託したが、九回に悪夢が待っていた。

 5時間5分の激闘も報われず、3連勝を逃した。金本監督はさすがに疲れた面持ちで会見場に姿を見せたが、敗因を問われると、攻撃陣の責任を問うた。

 「やはり、一番は打てないことだよ。全部で11安打?12安打?そのうち、クリーンアップは何本だったかな。孝介が1本、トリが1本…。今は若い選手が多いから、主軸がしっかり打たないと、点が入らない…」

 クリーンアップ3人で3安打。四回の先制打は福留の二塁打が起点となったが、三回、七回の得点圏で鳥谷は凡退。延長十二回1死一、二塁、一発出れば同点の局面ではゴメスが三振に仕留められ、万事休す。12度Hランプをともして1得点。ここぞで決定打が出ず広島にセ最多15度目の逆転勝利を許し、一夜で5割に逆戻りした。

 十回に3連投の藤川が力投し、石崎、田面と継投をはかったが、延長十二回に榎田が磯村に決勝打、菊池にダメ押しの適時三塁打を浴び、力尽きた。やはり、守護神が盤石でなければ僅差のゲームがおぼつかない。今季、リードして九回を迎えた試合での継投失敗はこれで5試合目。新人監督は終盤、逃げ切ることの困難さを痛切に感じている。

 「ノーヒットで1点か。四球だね、やっぱり…。ボール自体、そんなに悪いようには見えなかったけどね。登板間隔の空いたコンディションの影響?ないんじゃない。それは本人に聞いてよ」

 マテオと藤川との順番について問われると、口をとがらせた。

 「さすがに最後球児は…。そうは言っても(配置転換後)3試合目よ、まだ」

 この日は午前中に鳴尾浜を訪問し、2軍戦を視察した。若手の成長を見極め、その発掘に余念がないが、新戦力を試しながら、勝敗にこだわる日々に苦心する。変革に「超」をつけた挑戦は根気との戦いでもある。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス