「中日０－１阪神」（５日、ナゴヤドーム）

　緊迫した試合の中、またまた攻守で魅せた。「７番・捕手」でフル出場した阪神・原口が２戦連続零封の好リード。前回４月１５日からの３連戦で３タテを食らった地で、チームを雪辱の勝ち越しに導いた。

　１対０の試合を勝ち切った。「最後の１球までどうなるか分からない緊張感の中でやっていたので、勝った時の喜びは本当に大きいです」。重圧から解き放たれ、安どの表情を見せた。

　ハイライトは１点リードで迎えた八回だ。無死一塁で二盗を仕掛けてきた大島をドンピシャのストライク送球で刺した。アウトがコールされると、原口は右手で小さくガッツポーズを繰り返した。

　「大きな失点につながるリスクがあったので、何とか勝負どころで刺せてよかった」と納得のスローイングに胸を張った。金本監督も「大きいよね。ピンポイントでそこしかないというところに投げた」と危機を救った盗塁阻止を称賛した。

　持ち味の打撃も好調だ。四回に投手強襲の内野安打と六回にも左線二塁打。２戦連続マルチ安打で打率は・５２９まで上昇。矢野作戦兼バッテリーコーチは「打って良し、守って良し。すべてに文句ない」と大絶賛だ。

　メッセンジャーは開幕から岡崎と組んできたが、首脳陣は勢いに乗る原口との初コンビを決断。そして、きっちり期待に応えた。「手応えはまだ全然ないですけど、本当に充実した日々が送れています」と話す表情は頼もしい。今回の中日３連戦すべてにマスクをかぶり、カモにされていたビシエドを計１０打数１安打に封じた。４月２７日に支配下再登録されたばかりの背番号９４の存在感は日に日に増していく一方だ。