“柔”球児見せる!14日紅白戦先発

 「阪神春季キャンプ」(12日、宜野座)

 阪神・藤川球児投手(35)が12日、阪神復帰後初登板となる14日の紅白戦に向け、ブルペンで30球を投じた。復帰戦では先発する予定で、今キャンプではこれまでほとんど使わなかったスライダーを練習するなど、スタイルチェンジを図っている元守護神。注目の一戦で、まだ誰も見たことのない“ニュー藤川”をお披露目する。

 時代がゆっくりと移ろうように、かつての絶対的守護神も日々その姿を変えている。今キャンプ3日ぶり4度目のブルペン投球は、カーブやシュートを交ぜ30球。時は満ちた。

 「しっかり頑張ります」

 14日の紅白戦では先発が予定されている。公式戦ではないが阪神復帰後、初の実戦登板。さまざまな思いが胸中にあるだろうが、多くを語ることなく、帰りの車に乗り込んだ。

 4年ぶりに復帰した藤川は、現時点では先発としての調整を進めている。ストッパー時代であれば、火の玉ストレートという絶対的武器を軸にした投球が可能であった。しかし、先発としてマウンドに上がるのならば、そうはいかない。

 長いイニングを投げることが義務である先発の場合、初回から常に全力投球するのは不可能。求められるのはスピードよりも、制球や変化球、投球術といった部分だ。香田投手コーチも「抑えでやっていた時よりも、力で(抑える)というのはないんじゃないかな。長いイニングを投げるための投球スタイルや配球に変わってくる」と予想した。

 新たに身につけた武器の一つが、8日に室内練習場で試投したスライダーだ。リリーフ時代にはほとんど使わなかった球種だが「試合で投げてみないといけない。バッターに投げていく中で、いろいろ見つけていかないといけない」と実戦でのテストを予告。精度が良ければ、今後の投球を支える屋台骨になることは間違いない。

 これまでのブルペン投球では、他チームのスコアラーの目を警戒して球種を声に出さずにサインで伝えるなど、情報管理を徹底している。十分すぎる実績がありながら、左足を下ろすタイミングを意図的に変えてみたりと、試行錯誤の日々。今年にかける執念が伝わってくる。

 中国・三国時代の呉の武将・呂蒙はもともとは武芸一辺倒の人間であったが、その後は学問にも熱心に励み、久しぶりに再会した旧友を大いに驚かせたという。藤川の先発姿がお披露目される14日。長年のファンでも驚くことになるであろう。“剛”だけではなく“柔”も身につけた姿に。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス