江夏臨時コーチ提言“キヨシになるな”

 「阪神春季キャンプ」(9日、宜野座)

 江夏豊臨時投手コーチ(67)が予定の指導期間を終え金本知憲監督(47)、掛布雅之2軍監督(60)に“キヨシになるな”とアドバイスを送った。球界を代表する強打者がそろって新監督に就任したことで注目が集まる一方、選手たちには注目を奪うような奮起を要望。掛布2軍監督も理解しており「自己満足の野球はしない」と誓った。

 3日間の指導を終え、総括を求められた江夏臨時コーチがゆっくりと口を開いた。「これはあくまでも一OBとして」と前置きした上で「金本、掛布ばかりが目立つのは心配。(中畑)キヨシみたいに先頭に立って腕を回すのはどうかと思う」と指摘した。

 「監督が目立つと選手はどう思うか。DeNAはいい中軸と抑え投手がいたけど勝てなかった。だからキヨシは辞めた」と持論を展開。指揮官の派手なパフォーマンスがDeNAの足かせになっていたと分析する。

 その一方で選手たちには「本来なら選手が(新聞の)1面にいかないと。監督ばかりだと寂しい」と両新監督以上に目立つよう要望した。掛布2軍監督もその言葉は十分に理解しており「僕らの自己満足な野球はやらせない。選手を見てあげないとね。指導者の仕事は選手の成長を手助けしてあげること」と言い切った。

 「安芸には目立っている選手がいっぱいいるでしょ?」と訴えたように、第2クールを終え高山、板山の“山々コンビ”が輝きを放っている。新人選手に負けじと俊介、坂らの中堅選手、狩野、安藤らのベテランも順調な調整ぶりを見せている。シーズン終了後、伝説の左腕が指摘したことが杞憂(きゆう)に終わる、いや終わらせる-。それが理想の形だ。

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