阪神の新外国人、マルコス・マテオ投手（３１）と、ラファエル・ドリス投手（２８）が２８日、西宮市内の球団事務所で入団会見を行った。マテオは最速１６０キロの守護神候補で、昨年参加していたドミニカ共和国のウインターリーグでは、投球に加えてヒゲを蓄えた風貌でも打者を圧倒。威圧感十分の「ヒゲ魔神」が、日本でも勝利のリレーを完成させる。

　時折浮かべる笑顔に愛嬌（あいきょう）はあっても、ヒゲを蓄えた風貌は迫力十分だ。「ドミニカ人はほぼ、ヒゲを生やしたり髪を奇抜にしたりするのが好きなので」。マテオは謙虚に話したが、そのヒゲと力強い投球で、ウインターリーグでは打者に恐れられていたという。会見で横に座ったドリスが、こう明かす。

　「（ドミニカ共和国で共に）『バルブセ』と呼ばれていました。同じチームでやっている時に、こういうヒゲが生えているやつが出てきたら、もうこのチームからは打てないと印象付けられたので、その名前で呼ばれてました」

　ドミニカ共和国ではヒゲのことを「バルブー」と言い、「バルブセ」とはヒゲを生やした男たち、という意味だという。かつての阪神の「ＪＦＫ」のように、そんな異名ができるほどのリリーフ陣を形成していた。実際にウインターリーグでは１７試合で１勝０敗１１セーブ。「ヒゲ魔神」として躍動していたわけだ。

　また、３年ほど前から続けるドレッドヘアも、ヒゲ同様に異彩を放つ。「新しいチームに行ったら髪形を変えたりしている。運を味方に付ける意味でやっている」。投球も含めて、大事な局面を託せるだけの圧倒的な存在感がマテオにはある。

　最速は「１６０キロ」で、左打者からもカウントを取れるスライダーが武器。呉昇桓が退団した中、阪神の新たな守護神候補となる。「抑え投手がいなくなったことは聞いてますし、その代わりに私が来させてもらったので、期待に応えられるようにがんばりたい」。自覚は十分だ。

　来日前は２週間ほど休養にあてたが「明日時間があればぜひやりたいね」と練習にも意欲。期待通りに調整が進み、競争に勝ち抜けば、威圧感たっぷりの男が九回のマウンドに君臨することになる。