藤浪 倍増1億7千万円 開幕投手目指す

 阪神・藤浪晋太郎投手(21)が19日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、倍増の1億7000万円でサインした。04年の赤星(1億円)以来、球団史上最速タイで大台突破した右腕は、これまで消極的だった開幕投手の奪取を宣言。来季はダルビッシュ(当時・日本ハム)と並ぶ高卒5年目での史上最高額2億7000万円を狙う。

 藤浪の鋭い視線は、「3・25」のマウンドを見据えていた。これまで開幕投手の意欲を聞かれると「優勝に比べたら小さいこと」と控えめに話してきた。だが、この日は違う。「こだわりはない」という自身のスタンスは変えず、続けた言葉にエースの自覚を込めた。

 「もちろん目指しますし、これからの準備もキャンプ、オープン戦も開幕投手で投げるつもりで、調整していきますし、しっかり頑張りたいと思います」

 きっぱりと開幕投手奪取を宣言した。既に金本監督は来季の大役をメッセンジャーか藤浪に任せる方針を示しているが、やはり大本命は藤浪だろう。今季は28試合199イニングを投げ、14勝7敗、防御率2・40。221三振を奪い、自身初タイトルを獲得した。3月25日・中日戦(京セラ)をイメージし、逆算調整に入る考えだ。

 キャリアハイの成績はきっちり金額に反映された。8500万円から倍増の1億7000万円で一発サイン。入団4年目では球団史上最速タイの1億円突破&最高額だ。

 「いい評価をいただいたと思います。3年通してケガなく、ほぼローテーションを外れることなく、今季に関しては長いイニングをしっかり投げられたので。そのあたりをしっかりと評価してもらったのかなと思います」

 プロ3年で残した35勝21敗、防御率2・86の数字は申し分ない。次のターゲットは高卒5年目の史上最高額。ダルビッシュ(当時日本ハム)の2億7000万円だ。1億の大幅増も、今季以上の活躍でチームを優勝、日本一に導けば、決して不可能な数字ではない。本人も力強く言う。

 「自分の活躍次第でしょうし、何とも言えないですけど。最高年俸とか、そういうのあまり気にしていない。もちろん選手の評価なので、『金額イコール選手の価値』ということになると思う。評価していただけるのはありがたいです」

 エース、開幕投手、19勝…。周囲の期待を受け止める藤浪には大黒柱の風格さえ漂う。念願の歓喜の美酒を浴び、来年もバラ色のオフを過ごすつもりだ。

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