掛布2軍監督ラグビーから超変革教訓

 「ラグビー・トップリーグ、神戸製鋼24-25NTTドコモ」(29日、神戸ユニバー記念競技場)

 阪神・掛布雅之2軍監督(60)が29日、坂井信也オーナー(67)とラグビートップリーグの神戸製鋼-NTTドコモを観戦した。24-25の接戦の中に見えたのは、ミスを撲滅することの大切さ。「野球にもつながるところがあるよね」と、この日の経験を2軍から浸透させていき、チーム全体の底上げへと結びつける。

 寒空の下、掛布2軍監督は筋骨隆々のラガーマンに熱視線を送った。神戸製鋼所の社外監査役を務める坂井オーナーから誘われ実現した、ラグビートップリーグの生観戦。そこで目に付いたのは、名門・神戸製鋼の反則の多さだ。格下相手に敗北を喫した要因を、野球界のレジェンドが冷静に分析した。

 「神戸製鋼はミスが多かったですよね。ミスの多い方が負けますからね。きょうは(NTT)ドコモの方がバランスを取れていたんじゃないですか?試合の流れという部分も含めて、野球にもつながるところがあるよね」

 終盤に追い上げたが24-25で敗者となった神戸製鋼。10月に開催されたラグビーワールドカップ・イングランド大会で、世界ランキング3位の南アフリカから歴史的勝利を挙げるなど躍進した日本代表メンバーが4人在籍する。しかしNTTドコモの反則が7だったのに対し、神戸製鋼は11。敗因は明らかだった。

 今季の阪神にも思い当たる節がある。特に投手陣の自滅とも言うべきプレーは数字として表れる。

 総与四死球496はリーグワーストで、暴投42はリーグワースト2位。野手の失策数77はリーグ4番目だが、優勝したヤクルトは71で最も少なかった。強力打線がクローズアップされたが、鉄壁の守りも強さの要因。「ミス撲滅」が勝敗の鍵を握ることは言うまでもない。

 掛布2軍監督は、選手一人一人の頑丈なボディーにも注目していた。

 「骨のきしむような音とか、体をぶつけ合うときの迫力とか。すごみを感じましたね」

 金本監督が描く「総鉄人化計画」の下、ウエートトレーニングに励む猛虎戦士。求められる筋肉の質は違えど、野球にも通じるものはある。鳴尾浜で奮闘する若虎を脳裏に浮かべながら、激戦を食い入るように見つめた。

 この日の貴重な経験は、必ず「超変革」を掲げる金本阪神に浸透させる。総師からの要望は、そんなメッセージが含まれていたのかもしれない。ミスタータイガースの表情は、決意に満ちていた。

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