和田虎の執念…あと1点も光った猛追撃

 「阪神4-5巨人」(10日、甲子園球場)

 敗れた。しかし最後まで戦い抜いた。阪神は0-4から1点差まで追い上げ、九回も好機をつくったが、勝利をつかむことはできなかった。首位は変わらないが、ヤクルトに同率で並ばれた。しかし巨人との直接対決で見せた粘り、闘志は必ず次につながる。

 あと1点、あと一歩、届かなかった。4-5の九回、2死一、三塁。打席には六回に左前適時打を放っている鳥谷。最後まで勝利を信じた虎党のボルテージは最高潮に達した。しかしキャプテンは二ゴロに倒れ、勝負は決した。

 「もちろん、最後までそういう(あきらめない)気持ちでいったし、いけるところまでいったというかね。取り返そうという気持ちが選手たちにあった」。敗れはしたが、和田監督は奮闘したナインをたたえた。

 ミスから相手に主導権を握られた。二回の守備、無死一、二塁で、アンダーソンが左翼線に落ちる安打。マートンは走者を足止めしようと捕球する体勢を取った。しかし打球を後逸(記録は失策)し、先制点を献上した。さらにこの回1点を失い、六回には阿部の2ランで0-4となった。

 それでもあきらめなかった。六回2死二塁。鳥谷がしぶとく左前に運び1点を奪って反撃開始。七回には1死一塁からゴメスが右中間に二塁打を放つなどで満塁とし、梅野の左前2点適時打につなげた。

 「ゴメスが打つことで、追い上げムードになる。状態が上がってくると、つながりが出てくる。(状態が)上向いているのは確か」。指揮官は、不振にあえいでいた助っ人の復調に確かな手応えをつかんだ。

 8月18日からの敵地・東京ドームでの3連戦で痛恨の3連敗を喫した。選手たちは、リベンジの強い思いを胸に聖地で戦った。終わってみれば1勝1敗だったが、前夜はサヨナラ勝ちで、この夜も宿敵を追い詰めた。9月に失速する、いつもの虎とは違う。そう確信させる戦いだった。

 連勝したヤクルトに並ばれたとはいえ、首位に立っている。泣いても笑っても、残りは18試合。どんな展開でもあきらめず、戦い抜くだけだ。

 甲子園で戦う11日・広島戦の相手先発は黒田。「毎日、そういうピッチャーが来る。カードも変わる。気持ちを新たに、あしたからいきます」と和田監督。執念と意地で、最後まで戦う。その先には、必ず頂点がある。

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