鳥谷、監督に並ぶ球団3位1739安打

 「阪神1-5広島」(2日、甲子園)

 また新たな勲章が加わった。阪神・鳥谷が通算1739安打とし、球団3位の和田豊に並んだ。しかし、チームは敗戦。2位・ヤクルトにゲーム差なしまで迫られ、主将として心の底から喜べる節目とはならなかった。

 あと2本に迫って迎えた一戦。この日、53歳の誕生日を迎えた指揮官を祝うかのように、2打席連続で快音を響かせた。

 初回無死は直球を逆らわずに左中間へ運ぶ二塁打。9連続試合安打で、唯一の得点となった福留の先制犠飛へつなげた。続く三回2死はスライダーを捉えて、ライナーで三遊間を破る左前打。前田を相手にあっさりと和田監督の記録に並んだ。

 球団史で自身の上に立つのは、1位・藤田平(2064本)、2位・吉田義男(1864本)の2人だけとなった。「よかったと思います」。個人記録よりもチームの勝利を優先する主将。逆転負けを喫したこともあって、淡々と感想を口にした。

 和田監督は鳥谷の能力を高く評価する。自身の記録に並ぶことは、通過点として捉えているからこそ、祝福よりも一層の奮起を期待した。「3番までの状態がいいから、何とかつないで点を取ることを考えていかないといけない」と、不動のトップバッターへの信頼を口にした。

 チームとしてはまたも前田を攻略できなかった。天敵とは多ければあと2度対戦する可能性があり、課題を残す試合となった。

 それでも鳥谷は悲観的にはなっていなかった。チームメートに呼び掛けるように言った。「初回の点の取り方はよかったと思う。(前田攻略には)ああいう点の取り方を続けていくだけ」。頼れる主将はどんな難敵相手でも先頭に立ち、チームを鼓舞していく。

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