メッセ日米1000Kも花束贈呈見送り

 「阪神3-1中日」(12日、京セラ)

 阪神・メッセンジャーはまるで敗者のようにマウンドを降りた。ベンチ裏に準備された豪華な花束は球団の配慮で贈呈が見送られた。ルナに与えた四球を起点に同点に追いつかれた六回。森野を内角に沈むカーブで空振り三振に仕留め、日米通算1000奪三振を達成した。米国で120、日本で880の「K」を積み重ね、大台にたどり着いた。それでも試合後は「関係ないよ」と素っ気なかった。自身が勝ちきれなかったふがいなさでストレスが満タンになっていた。

 三回に三塁打の藤井を迎え入れる今季初の適時打で先制した。「フジイさんが三塁打を打って塁上で疲れているようだったので、早くベンチで休んでもらうためにヒットを打ちたかったんだ」。試合中はジョーク混じりで広報に談話を預けたが、帰路につく表情は最後までさえなかった。

状態戻った

 7月3日・横浜戦後、藤井と食事を共にした。これまでプライベートを密に共有することのなかった女房役に初めて好不調のバロメーターを打ち明けた。

 「最近は投球のフィニッシュで一塁側へ体が流れているだろ?今年はそれがなかなかできなかったんだけれど、ようやくできるようになってきたんだ」

 日本で一般的な技術論では、腕を振り下ろした後に体が左右にぶれることは悪癖とされるため、藤井は驚いた表情を見せたという。

 開幕投手が5月11日に出場選手登録を抹消された。同時点で2勝5敗、防御率5・88。最年長捕手がメッセの異変を感じた日がある。谷繁に本塁打を浴びるなど4回6失点で4敗目を喫した5月4日の中日戦。試合前のブルペン投球を捕球した藤井は「球より投げ方が良くなかった」と危険信号を感じていた。

 それでも「1軍に帰ってきたメッセは本来のメッセ」と今は太鼓判を押す。13日に34歳を迎える。前祝いとはいかなかったが、8勝目へ視界は良好だ。

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