「阪神３－０ＤｅＮＡ」（２４日、甲子園）

　どん欲に追加点を求めた。完封を目指す阪神・藤浪を思い、狙い通りに出塁した一打で猛打賞を決めて、ダメ押しの３点目を導いた。「（九回も）藤浪が続投でしたから。（八回は）点が取れて良かったです」。１番・鳥谷が、猛打賞の活躍で３連勝をけん引した。

　得点に絡んだのは、２点リードの八回だった。先頭から打席に立つと、２ボール１ストライクからの４球目の変化球に鋭く反応。左中間にはじき返して、一気に二塁へ進んだ。続く上本の犠打で三塁に進むと、福留の右犠飛でホームに生還。貴重な３点目となったが、この日の躍動はこれだけじゃない。

　得点には結び付かなかったものの、初回は左前打を放ち、１２日の巨人戦から続く連続試合安打を「７」に伸ばした。さらに六回１死では右前打で出塁。猛打賞は６月３０日のヤクルト戦（神宮）の４安打以来、今季５度目。６度記録しているマートン、福留に続くチーム単独３位で、通算１２１度目となった。

　「（猛打賞より）今日は江越でしょう」と鳥谷。自身の３安打を振り返ることなく、かわいい後輩の一発をたたえる。ただ、ルーキーが輝けるのも、それを支える存在があるからこそ。勢い付くチームの中心には、頼れるキャプテンがいる。