7連勝ならず…和田監督、仕切り直す!
「ヤクルト4-3阪神」(30日、神宮)
白い歯はこぼれない。小雨に打たれながら、阪神・和田監督は三塁スタンド沿いを歩き、帰りのバスへと向かった。八回に追い付きながらも、直後に勝ち越されて喫した16日ぶりの黒星。笑顔なきゲームセットとなった。
「取った後の1点を先に取りたい。次の1点をね。流れを持ってこれず、持ってこれそうな流れを、持って行かれたような感じで」
投打で流れを引き寄せきれなかった。ビジター6連戦初戦を託した岩田は、六回に2死一、二塁からデニングに死球を与え、満塁から大引に逆転打を許したところで降板に。その六回も悔やまれたが、流れを振り返った時に痛かったのは2点を奪った直後の四回。畠山に浴びたソロ弾だ。
「あの1点で向こうも元気になってしまったから」と指揮官。欲しかった3点目を奪う前に、1点を返された。先制した直後だけに、ゼロに抑えていればという場面。思うように投打がかみ合わなかった中、八回に一時は同点に追い付く執念を見せた打線にも、消化不良の思いは残った。
1番・上本は5タコ、2番・大和が4タコで、1、2番の2人がそろって無安打。和田監督も「今日はそこだな。クリーンアップの前に1回もランナーを出せなかったので」と振り返る。クリーンアップの3人の状態がいいからこそ、1、2番の出塁がポイント。そこでの音なしが響いた。
勝てば今季最長の7連勝で貯金も今季最多の「4」、さらに球団新記録のヤクルト戦8連勝だった。届きそうで届かなかった白星。「今日に限ってはビジターうんぬんではない。終盤も粘って追い付いたけど」。いくつかの悔いは残っても、選手に責任は負わせない。一夜明ければ7月。仕切り直しの勝利を目指すだけだ。