メッセ 完全復活!自己最長24回0封
「交流戦、オリックス1-0阪神」(12日、京セラ)
右拳を突き上げ、マウンドで一回転した。阪神・メッセンジャーが口を大きく開けて吠えた。0-0の九回、四球と安打で1死二、三塁。打席はこの日2安打していた小谷野。一塁は空いていたが、勝負に迷いはなかった。
「2安打されたからやり返そうと思った。四球は考えなかった。とにかく、失投だけはしないように、集中力を高めて投げました」
言葉通り、小谷野を一邪飛に打ち取ると、続くヘルマンはこん身の内角フォークで空振り三振。最大のピンチを気迫で振り切った。
9回を投げきり6安打無失点。長身から投げ下ろす直球が、鋭く落ちるフォーク、緩いカーブを引き立てた。和田監督を「援護がない中で、よく投げた。次は援護してやれるようにしたい」と言わしめた、136球の熱投だった。
前日の練習後、球団広報が両手で、大きな“×マーク”をつくった。メッセンジャーが登板前日の取材を拒否しているという。「験をかついでいるようです」と説明した球団広報。3勝目を挙げた5月29日西武戦から前日に無言を貫くと、2戦2勝。無失点イニングは自己最長の「24」まで伸びた。
福岡遠征では懐かしい顔と再会した。10日ソフトバンク戦の練習前、外野から近づいてきたのは、13年までチームメートだったスタンリッジだ。マートンを交えて近況報告するなど、笑顔で旧交を温めた。気分もリフレッシュし、交流戦の最終登板に臨んでいた。
「とにかく投げたいという気持ちがある。自分を登録抹消したことは間違いだったと、証明できている」
2軍落ちの悔しさが復活の要因。闘志あふれる姿も、昨年までの助っ人そのものだ。次回はリーグ戦再開後の20日・ヤクルト戦先発が濃厚。サヨナラ負けの敗戦の中で、メッセンジャーが完全復活を強烈に印象づけた。
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