能見 キラリ熟練技!援護も受け4勝目
「交流戦、阪神4-1日本ハム」(7日、甲子園)
チームを思いやり、仕事を全うする。阪神の代打狩野の値千金の一打。ベンチで見守っていた能見は立ち上がって、拍手を送った。「狩野は僕の代打でよく打ってくれるから。七回もいこうと思っていたけど、チームとして勝負をかけたので」。かつてバッテリーを組んだ後輩の活躍を、自分のことのように喜んだ。
「今日はあまり調子が良くなかったけど、藤井さんがうまくボールを選んでリードしてくれました」。6回を5安打1失点にまとめたが、序盤はボールが高めに浮き、制球にも苦しんだ。そんな中、警戒したのは日本ハムの「足」だった。
1-1の四回、先頭の中島に安打を許した。俊足の一走は大きく、リードを広げる。「向こうに意識させることが大事」。高速クイックも交え、3連続を含む計4度のけん制球を入れた。フルカウントとなり「どうしようかと思った」と苦笑いしたが、最後は直球を打たせて、投ゴロ併殺に。中島のスタートをわずかに遅らせ、ピンチの芽を摘んだ。
交わした約束は忘れない。ドラフト1位の横山が入団前、自身を目標としていると聞くと「聞かれたら答えます」と明言。フォークについても「全然、教える」とラブコールを送っていた。キャンプは別で、話す機会はなかったが、ルーキーが1軍昇格すると早速、手を差し伸べた。
5月の横浜遠征。自ら歩み寄り、「どういう意識でフォークを投げているのか」と尋ねた。「素晴らしいフォークを投げる」と以前から動画サイトで能見の投球をチェックしていた横山は、「フォーク以外にもいろんな話をしてもらいました。参考にしたい」と目を輝かせた。チームの将来を担うルーキーへ、手助けは惜しまない。
自身4勝目でチームも貯金1。能見は「しっかり自分も続けていけたらいい。シーズンは長いのでね」と口元を緩めた。上昇気流に乗るチームを経験豊富な左腕が支えている。
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