呉昇桓まさか…満塁悲弾で今季初黒星
「交流戦、阪神3-6ロッテ」(2日、甲子園)
うそだと言ってくれ…。阪神が痛恨の逆転負けを喫した。1点リードの九回、抑えの呉昇桓投手(32)を投入。簡単に2死を取ったが、そこから満塁とされると、角中に右翼席に運ばれた。呉昇桓は今季初黒星。チームは6月は黒星スタートで3連敗となり、4位タイに転落した。
まさかの結末に表情を失った。快音を残した白球は浜風を切り裂き、グングン伸びていく。右翼手・福留の頭上を越えると、右翼席最前列へ。悲しみのジェット風船が、力なく宙を舞う。来日初の満塁本塁打。2死から、呉昇桓が沈んだ。
3-2の九回、悪夢が待っていた。ハフマンを145キロ直球で三飛、続く代打岡田は149キロで空振り三振。ここまでは思い描いたシナリオ通りだった。
ところが、途中出場の根元の打球を遊撃・鳥谷がグラブに当てながらはじく安打となると、勝利へ道筋が狂っていく。続く1番清田も完全に打ち取っていたが、土で打球が殺され遊撃内野安打。さらに鈴木への四球で傷口を広げてしまう。
「2アウトやから。あの四球が一番痛かった。なかなかボール球を投げられないカウントになってしまった」
和田監督がポイントに挙げた痛恨の四球。ここで中西投手コーチがベンチを飛び出し、一呼吸置いたが試合の流れは引き戻せない。3番角中へフルカウントから投じた9球目。内角スライダーを完璧に捉えられ、4月19日巨人戦(甲子園)以来、今季2度目の救援失敗を喫した。
「自分が先に、ああいう状況をつくってしまったことが今日の反省点です。打たれたのはスライダーです」
試合後、呉昇桓は顔を紅潮させて、クラブハウスへ引き揚げた。厳しい判定、不運な内野安打も重なったが、絶対守護神は敗戦の責任を一身に背負った。
試合前はサムスン時代の恩師・ロッテの落合投手コーチと再会。進化した姿を見せつけるはずが…、厳しい現実を突きつけられた。昨季の交流戦も9試合に登板し、2敗5セーブ、防御率・4・15。対戦機会が少ないパ・リーグ相手に苦しめられていた。
「(今後に)響かしたらあかん。痛いのは痛いけど、明日もゲームがある。こういう負けを乗り越えないと」
指揮官は懸命に前を向いた。昨季もセーブ失敗の次登板は必ず無失点で締めくくった。来日初の屈辱も、跳ね返すだけだ。
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