隼太、救いの球団通算代打300号

 「DeNA8-6阪神」(24日、横浜)

 阪神・伊藤隼は自身を窮地に追い込んでいる。毎日が胸を締めつけるような危機感との戦いだ。だからこそ、スタメンを外れたこの日、限られた出番で集中力を研ぎ澄ませた。4点ビハインドの七回。ヒットで出塁した藤井を一塁に置いて代打に指名されると、2ボールから須田の低め直球をフルスイングで右中間席まで運んだ。

 「狙い球は決めていました。ボールが2球続いたので、空振りしてもファウルでも、思いきりいこうと思って…。ちょっと詰まったけど、こういう打席を増やす、というか、全ての打席でできるようにやっていきたい」

 初回、クリーンアップの3者連続打点で3点を先制しながら先発の岩貞がピリッとせず、勝ち試合が暗転。三回に故障の筒香を欠いた新マシンガン打線に逆転を許すと、虎打線は六回まで反発力を失った。それだけに一瞬でも抵抗力を発揮した伊藤隼の2号2ランは一筋の光。球団通算300本目となる代打本塁打が今カード初戦に続く逆転敗戦の中でせめてもの救いだった。

 22日の試合で右肘を故障した西岡が出場選手登録を抹消された。打順の兼ね合いもありこの2試合は相手先発が右腕でも伊藤隼はベンチスタート。代打で結果を重ねることに集中し、スタメン復帰を全力でアピールした。

 「1試合打てなければすぐに代えられるくらいの気持ち。正直、毎日不安ではあります」と、偽りない胸中を明かしたこともある。3点を追う九回の打席も危機感を持って臨み、1死一、二塁から四球を選んだ。左投手とは今年初対戦だったが、田中相手に「スライダーのイメージを持っていた」と全5球、外角に沈む軌道にバットを止めて出塁。最後の反撃に加担した。

 4月25日、広島・黒田から放って以来のアーチになったが、解放感とはほど遠い。危機感を原動力にレギュラー定着を追求していく。

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