横山凄いで!初星ならずもG連倒呼んだ

 「阪神2-1巨人」(21日、甲子園)

 初登板で、力を証明した。阪神のドラフト1位・横山雄哉投手(21)=新日鉄住金鹿島=がプロ初登板初先発。キレのある直球とカーブを武器に、7回を6安打1失点。打線の援護なく勝ち星は付かなかったが、チームの巨人3連戦今季初勝ち越しに貢献。期待が大きく膨らむ快投だった。

 全てを出し切った。並み居る強打者に臆することなく腕を振った。無限の可能性を感じさせる101球。横山が伝統の一戦で堂々のデビューを飾った。

 「チームが勝ったことが一番うれしい」。7回6安打1失点。球団史上初となる「巨人戦でプロ初登板初先発で初勝利」は逃した。だが、巨人打線に真っ向勝負を挑む姿に、スタンドは胸を躍らせた。

 直球は約7割の69球。2軍で高い評価を受けた快速球の威力を存分に見せた。初回2死は亀井の初球に、この日最速の149キロをマーク。直球でバットを3本も真っ二つにへし折った。

 「打たれても仕方ないという気持ちで、ボール球でもいいからどんどん腕を振っていった」

 100キロ台のカーブを使った緩急も効果的で、決定打を許さない。二、五回はともに三振でピンチを切り抜けると、「ヨッシャー!!」とほえた。六回2死二塁でアンダーソンに直球を左中間に運ばれて失点したが、背番号15の好投なくして逆転勝ちはなかった。

 山形中央2年夏は春夏連続で甲子園に出場したが、ともに大敗。3度目の甲子園での登板でスタンドの両親、祖父母にも成長した姿を届けた。

 1年目は、昨年11月の21UW杯で発症した左胸鎖関節炎で出遅れた。実戦が始まるとプロのレベルの高さに戸惑った。それでも悩むより動いた。

 「今のままではダメ、と思うことばかりだった。弱音を吐いても何にも生まれないので、自分で考えてやっていこうと思った。しんどい、つらいと思ったことは一度もない。1軍で投げたいという思いだけだった」

 股関節のトレーニング、交代浴。風呂を出た後は毎日30分間、肩周辺のストレッチを欠かさなかった。兄のように慕う石崎を寮の部屋から追い出して、新日鉄住金鹿島時代の映像を見返したこともあった。ひたむきに自分と向き合い、デビューへとたどり着いた。

 次回は28日の楽天戦(甲子園)での先発が濃厚。今度こそ最高の笑顔が見たい。

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