関本“神の目”で同点押し出し四球

 「阪神3-2中日」(6日、甲子園)

 満員のマンモスは、この男だからこそなせる業に沸いた。阪神の代打関本が、サヨナラを呼ぶ値千金の同点押し出し四球。興奮冷めやらぬベンチ裏で、「必死や、必死」と自身の大仕事を振り返った。

 1-2で迎えた九回、2死一塁で2番手の福谷から福留、マートンが四球を選んだ。続く代打関本の直前に投手交代が告げられ、3番手の又吉がマウンドへ。投球練習で間合いがあく。それでも、ベテランの集中力は途切れない。「全然大丈夫。どっちみち抑えのピッチャーやから」。貫禄で右腕を威圧した。

 1ボール2ストライクと追い込まれてからが腕の見せどころだ。外角低めのスライダーに手が出かかったが、ぎりぎりセーフのハーフスイング。続く変化球も見送ると、最後は又吉が粘り負けしたようにボール球を投じて勝負あった。

 今季は13打数1安打、打率・077と数字は低迷している。それでも、開幕2戦目でのサヨナラ死球など、ここぞの場面で3打点。新井のサヨナラ打をたたえた和田監督は、同時に「その前の関本が持ち味を出してくれた」と言葉を添えた。

 勝負どころで光った選球眼だが、大事なのは「気持ちですよ、気持ち」と関本。どんな形でも答えを出す。それが仕事人の真骨頂だ。

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