藤浪 負けても光!初無四球完投&10K

 「巨人1-0阪神」(2日、東京ド)

 破竹の快進撃は止まった。借金完済の野望も打ち砕かれた。阪神・藤浪晋太郎投手(21)が8回5安打1失点の完投負け。打線の援護に恵まれず、3敗目を喫したが、10三振を奪い、魂を紡いだ99球は明日への確かな光を感じさせた。完全復調-。次回こそ、そう言える。

 勝負どころの1球が頭をよぎる。唯一の失点が致命傷となった完投負け。一身で背負う連勝ストップの黒星。同時に、迷うことなく次に進める自信も残った。敵地に響く大歓声を遠くに聞きながら、藤浪は前を向いて歩いた。

 「(七回のフランシスコは)その前(4球目)に空振りを取った球種で攻めました。もう少し低めだったら詰まらせれた」

 悔やまれた失点。8回5安打10奪三振の投球を見せ、無四球での完投は自身初。ただ、負けた以上は満足できない。七回だ。先頭の大田に中越えの二塁打を許し、無死二塁からフランシスコと3度目の対戦となった。

 二回1死ではカットボールで空振り三振に仕留め、四回2死三塁ではオール直球の3球三振。迎えた七回の対戦。4球目に内角低めのカットボールで空振りを奪って追い込み、5球目もカットボールを投じたが、4球目より高く入ったところを一塁強襲の適時内野安打とされた。

 中西投手コーチも「4球目のカットが良かっただけに」と振り返った1球。ただ、続けて「あそこを1点で抑えたから」と、追加点を与えなかった粘りを評価した。勝てなくても、藤浪に収穫はあった。

 「内容的には一番まとまった内容で投げられた。真っすぐもすごく良かった。フォーム的にもすごく良かったと思います」

 前回4月25日の広島戦後、腕の縦振りを意識し、しっかりと下半身を使うように修正。さらに「テンポアップも意識しました」と8回以上投げて球数99球は自己最少。自己最速タイの157キロを記録した直球も精度が高く、和田監督も「内容的には今季一番」とたたえた。マウンドで放たれた存在感からも上昇の兆しを感じ取れた。

 燃え続けた闘争本能。祈るように見つめた九回の攻撃。まだ投げたかったから。「追い付く可能性があったので投げるつもりでした。逆転しても投げるつもりで」。思いは十分に伝わっている。次は藤浪に勝たせてやりたい。そう思わせる姿を見せてくれた。

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