和田監督、執念の采配!鳥谷にバント
冷静に状況を見極めた。能見がピンチを切り抜けた直後の流れ。ゴメスの田口に対するバッティング。阪神・和田監督は、迷いなく鳥谷に送りバントのサインを出した。勝負を決める1点を執念で奪った。
「ゴメスが田口君に非常にタイミングが取れていたので、回せば何とかなると。今日のゲーム展開からすると、1点勝負かなという展開だったので、1点を取りにいきました」
六回だ。先頭の西岡が四球を選び、無死一塁で打席には鳥谷。ベンチは「得点圏に進めてゴメスという形で」と送りバントの作戦を選択。すると3番が初球で成功させ、続く4番が勝負を決めた。
「1球でというか、しっかり送れればと思っていたので点につながって良かったです」と鳥谷。昨年3月29日の巨人戦以来、通算47個目の犠打は価値あるものに。この日、試合前の練習中は屋外に姿を現さなかったが、指揮官は「中でスイングしている」と説明。どんな状況でも変わらず期待に応える主将の姿が頼もしい。
七回には無死一、二塁から西岡が送りバントを試みた。結果はスリーバント失敗に終わったが、これも次の1点へのこだわりの表れ。「殻を破るところが出れば乗っていけますけど今は辛抱、我慢です」と和田監督。上昇ムードが高まる勝利を求め、タクトを振る。