ゴメスが復調気配 適時打含む2安打

 「阪神1-6DeNA」(8日、甲子園)

 阪神・ゴメスは通訳が追いつかないほどの急ぎ足で狭い階段を駆け上がった。ベンチ裏でコメントを求める報道陣と視線すら合わせず、無言。クラブハウスへ消えた4番の顔色には、復調の喜びなどみじんも漂わなかった。

 打撃不振のドミニカンが花冷えの甲子園をほんの一瞬だけ沸かせた。長く薄暗いトンネルを抜けたのは3点を追う五回だ。1死一塁からモスコーソの100球目、浮き上がったスライダーをフルスイングで粉砕した。ライナー性の打球が左翼線を襲うと、筒香がフェンス沿いの打球処理にもたつく間に一塁走者の上本が長駆生還。後続のマートンが三振に倒れ反撃は1点止まりだったが、昨季の打点王が久々にイケイケムードを演出した。

 4日・巨人戦の1打席目以来、14打席ぶりの安打。打点となれば3月29日中日戦の2打席目以来、36打席もさかのぼる。ゴメスの低調ぶりがそのまま、虎の低空飛行につながっていた。だから、和田監督は4連敗の寒い夜に「きょう唯一の収穫だな」と強がった。

 4番は七回にもHランプをともした。田中の外角直球をジャストミートし、センター関根のダイビングを突破する左中間二塁打で再び口火を切った。ここでも後続が倒れ得点はならなかったが、3月31日のヤクルト戦以来、7試合ぶりのマルチ安打で浮上の手応えを感じさせた。

 前夜は失点につながる失策を犯した。開幕カードで好調だった打撃が行き詰まり、精神的にもどんより感が募っていたのだろう。この日は2本の安打ともにベース上で激しく手をたたくジェスチャーで自らを鼓舞していた。関川打撃コーチは「打線も花粉症かな…」と苦笑したが、ゴメスはうっとうしい鼻みずとサヨナラした。

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