石崎投入は酷…悔し伝統の一戦1000敗

 「巨人9-5阪神」(4日、東京ド)

 首脳陣の思惑は外れた。1点を勝ち越された六回、1死満塁。2番手で送り込んだ阪神・ドラフト2位の石崎剛投手(24)=新日鉄住金鹿島=が敵地の海に沈んだ。押し出し、適時打…。強心臓ルーキーに託した期待は打ち砕かれ、巨人戦通算1000敗。5日は勝って本拠地に帰ろう。聖地開幕を笑って迎えよう。2カード連続負け越しは絶対に阻止せよ-。

 三塁ベンチから飛び出してきた投手を見て、目を疑った。六回、勝ち越しを許してなおも1死満塁で井端。和田監督が岩田に代えて送り出したのはルーキー石崎だった。

 荷が重いと感じた。予想通り、代打・高橋由にフルカウントから押し出し。続く亀井をなんとか中飛に打ち取ったものの、村田にもフルカウントから2個目の押し出し。さらに代打・中井には一塁適時内野安打。

 どの打者に対してもボール先行。自分の投球に持ち込めない。限界に見えたが、そのまま続投し、坂本にダメ押しの2点打を浴びた。この回だけで6失点。3点差を追いついた直後だけにあまりにももったいなかった。

 なぜ、石崎だったのだろうか。そこに疑問を持った。満塁のピンチをゼロで抑えるためには、三振を取れる球威に加えて、四球を出さない制球力が求められる。どちらかを欠くならば、失点を覚悟しなければならない。ここはまだ1点差。大量失点でなければ、今の阪神打線なら逆転は可能だ。ベストは松田だが、六回は早すぎる。ならば、球威で金田、経験値で福原。勝つための継投ならこの2人ではなかったか。

 試合後、和田監督、中西投手コーチは石崎について声をそろえて「ちょっと酷だったな」と口にした。中西コーチは石崎の選択について「(松田)遼馬じゃない。(石崎は)コントロールがあって球に力がある」と説明した。石崎の評価に間違いはないだろう。ただ、プロ2試合目という経験のなさを考えれば、厳しすぎる場面だった。

 この日、右翼には福留に代わって新井良が起用された。キャンプ、オープン戦で結果を残したルーキー江越ではなかった。巨人の先発は新外国人のポレダ。150キロを超える剛球を避けたのかもしれない。だが、石崎をあの場面で投入する思い切りがあるのならば、江越の初スタメンも見てみたかった。

 敗れはしたものの、巨人は打順も継投パターンもまだ手探りの状態。勝てない相手ではない。普通にやれば、宿敵の上に位置できるはず。3戦目は藤浪できっちり勝ち越して、甲子園開幕につなげてもらいたい。

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