メッセ粘り勝ち!8回2失点で今季初星
「巨人2-4阪神」(3日、東京ド)
巨人に勝ってこそ、虎のエースだ。2点リードの八回2死、阿部を遊飛に打ち取ると、阪神・メッセンジャーは軽く右手を上げた。今季初の伝統の一戦。尻上がりの投球で、宿敵から今季初星を手にした。
「先に3点を取ってもらったので、リラックスして投げることができたよ。今日の勝ちは自分もうれしいけれど、チームが勝ったことが大きいね」
助っ人は上機嫌で、バスまで歩を進めた。制球に苦しんだ四回と、続く五回に1点ずつ失ったが、最後の3イニングはパーフェクト。8回7安打2失点の投球に、和田監督は「2点取られたけど、そこから状態が上がっていったね」とたたえた。
ピカピカのグラブをはめると、一段と闘志が沸き立つ。今年使用する相棒にはこんな刺しゅうが入っている。
「2013 ☆
2014 ☆☆」
13年に来日初めて、奪三振王に輝き、14年は同タイトルに加えて最多勝も獲得。昨季から契約するローリングスジャパン担当者の発案に新たなモチベーションが芽生えた。これまでは「一度取ったタイトルは防衛したい」と話していたが、「今年は3つほしい」と目標を上方修正。“投手三冠”を視野に入れてマウンドに立つ。
キャンプで心配されたウエートオーバーも今となっては笑い話。沖縄ではホテルに戻ると、1人、黙々と有酸素運動を繰り返した。トレーニング後はサウナへ。たっぷり汗を流し体を絞った。シーズンへ照準を合わせ、きっちり仕上げていた。
「しっかり投げて終われたのは次につながるよ。東京ドームで勝てたことは大きいね」 昨季、巨人戦は8試合に先発し4勝1敗。今年も巨人戦中心にローテを回る助っ人が、ライバルの前に立ちはだかる。