“持ってる男”遼馬 八回守る!
球団史上初の開幕2日連続白星をマークした阪神・松田遼馬投手(21)に30日、デイリースポーツが直撃した。キャンプは2軍安芸スタートもオープン戦で結果を残し、「八回の男」の座をつかんだ若き右腕。度重なる故障を乗り越えて迎えた勝負の4年目、“持ってる男”が今季にかける思いを明かした。
これ以上ないスタートを切った。チームは開幕戦、2戦目に劇的なサヨナラ勝ち。その2試合に登板した松田は、幸運にも連続して白星をつかんだ。
「ラッキーというか大事な試合でチームが勝てたことが大きい。開幕戦はいつもと違う緊張感はありましたけど、次の試合はいつも通り投げられました。開幕1軍にいられたことが良かった。試合で投げられて抑えることができていいスタートが切れたと思います」
自慢の直球で打者をねじ伏せ、試合の流れを引き寄せた。開幕から2日連続白星は球団史上初。ただ、松田自身、決して“持ってる男”ではないという。
「運は良くない。くじ運も悪かった記憶があります。小学校のとき、ソフトボールの試合で延長に入ったら、勝ち負けがクジで決まるんです。9人いて当たりが多い方が勝ち。小学校ならではのルールですけど(笑)、勝った記憶がないです」
幸運は実力で勝ち取った。過去2年間、1軍キャンプ中に故障離脱していたため、今年は2軍安芸スタート。焦らずじっくり仕上げ2月下旬に1軍合流。すると、中西投手コーチから、「八回の男」に指名された。
「そう言ってもらってる間に、しっかり勝ち取れるようにしたいと思って、キャンプ、オープン戦から気を引き締めて取り組みました。安芸でも自分のやれることをしっかりやろうと。そうすれば、いつかチャンスはくると思っていました」
31日からはプロ2年目にプロ初勝利を挙げた神宮が舞台だが、2年前と立場が違う。セットアッパーとして強い自覚を口にした。
「もう2年前の話。そのときと自分の立場も変わっていると思うので、また新しい気持ちでやりたい。先発の後、勝っている場面で出る場所なので、勝ちを消さないようなピッチングをしたい。それがぼくの理想。もう4年目なので、ケガせずしっかりやらないといけないと思ってます」
度重なる故障を乗り越えて、強くなった。目標はシーズンを通して1年間1軍で投げること。150キロ超直球を武器に目標の50試合登板へ突き進む。