ドラ2石崎残った!ローテ最後の1枠
「オープン戦、阪神3-0広島」(10日、甲子園)
耐えて、粘って、残った。阪神のドラフト2位・石崎剛投手(24)=新日鉄住金鹿島=が広島とのオープン戦に2番手で登板。4回を投げ2安打無失点に抑えた。七、八回はいずれもピンチを背負ったが、強気の投球でスコアボードに0を並べた。人生初の甲子園のマウンドは小雪が舞う厳しい寒さだったが、岩崎、岩貞らと争う開幕ローテ最後の1枠へ、熱い投球で首脳陣にアピールした。
ポンポンポンとグラブを3度たたいた。七回2死三塁。代打安部を捕邪飛に打ちとった石崎は、耐え抜いた充足感をわずかに見せてマウンドを降りた。「結果的にゼロに抑えられてよかった。強い気持ちで抑えられた」。小雪の舞う極寒の初聖地。心を奮い立たせたルーキーが、先発ローテ5、6番手争いに踏みとどまった。
七回、先頭の代打松山に中堅右への二塁打を許してつくった無死二塁のピンチ。そこから強じんな粘りを見せた。この日最速145キロの外角速球で鈴木誠を見逃し三振、続く天谷、安部も一気に斬って無失点に抑えた。
八回も1死二、三塁から野間を見逃し三振。田中に四球を与えて満塁としながら鈴木将を遊飛。胃がキリキリ痛むような場面で時に梅野のサインに首を振る強気も見せ、4回2安打無失点に抑えた。
この日は「ブルペンから調子がよくなかった」と嫌な予感がした。マウンドに上がっても修正が利かず、「どうしよう、どうしようとすごく引きずってしまった」。そこで腹をくくれるのが右腕の強みだ。「自分でつくったピンチなんでへこんでも仕方ない。割り切って投げました」。プロは結果がすべて。スコアボードに並んだ4つの「0」が、この日の収穫だ。
中西投手コーチは「ボール球が多かった。要所は締めたと思うが、悪い方が出た」と評した。それでも、ローテ争いについては「明日の2人(岩崎、岩貞)を参考にしながらになる」と明言。岩本が当確の中、残り1枠をかけ、石崎を含めた三つどもえの戦いがピークを迎えている。
茨城・三和高は、石崎の2年秋から部員が9人になるまさに“普通”の公立校。3年夏の県大会は1回戦敗退と甲子園とは無縁だった。夢に見たマウンドに初めて立ち「圧倒されました」という右腕だが、「(観客が)近くて包み込まれている感じがした」と安心感もあった。早春の聖地。マンモスの神様は、24歳のルーキーを正念場で支えてくれた。
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