西岡「左」OK!安打性6割圧巻デモ

 「阪神春季キャンプ」(3日、宜野座)

 右肘手術から復活を目指す阪神・西岡剛内野手(30)が3日、今キャンプ初のランチ特打を左打席で行い、75スイングで46本の安打性を放った。今季目指すスタイルに「二塁打増」を掲げ、スピードにこだわる意思を明確に打ち出した。ロッテ時代の2005、06年に2度盗塁王を獲得したスピードスターが20代の輝きを取り戻し、二塁打争いに挑む。

 西岡は渡辺打撃投手にぺこりと頭を下げた。正午過ぎから今キャンプ初のランチ特打に臨み、快調に飛ばしていた30球目。好球を見逃し、思わず「すみません!」。足元を整え仕切り直した1球は、全開のスイングで右中間の芝を削った。

 和田監督、平田ヘッドコーチ、掛布DCら6人の首脳陣がケージ脇で見守る中、左打席で75スイング。柵越え5本、安打性46本の快音は右肘の手術明けを感じさせないデモンストレーションになった。左方向へ流し打った打球はわずかに4本。振り切る意識を前面に、宜野座上空の緩やかな逆風に打ち勝った。

 練習後、報道陣に囲まれた背番号7は今季追求する打撃について初めて語った。

 「数字的に二塁打を増やしたい。僕は本塁打を30本、40本打てる打者じゃない。スピードさえ出ればシングルヒットで終わっていたものが二塁打になることも増えるだろうし、内野ゴロがヒットになることもある。そういう確率を増やしていきたいと考えている」

 オフに7キロの減量に成功した。食事制限を徹底し、なぜそこまでストイックに体を絞ったのか。最大の理由はスピードの復元にあった。ロッテ時代に2度、盗塁王に輝いた。この日、「守備範囲だったり盗塁、そういうところを追い求めていきたい」とも話したが、打撃スタイルの理想は「ミスターダブル」。二塁打は10年の32本が自己最多。「初心に戻る気持ち」と心機一転を図る今季、キャリアハイだって視野に入る。

 フリー打撃、ティー打撃を含め計361スイングでキャンプ3日目を終えた。肘の状態を聞かれると「明日切れるかもわからない…それくらい追い込んでやっています」。和田監督は上本との正二塁手争いを「大歓迎」と話した。生存競争に挑む西岡の目の色は明らかに変わっている。

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