ゴメス頼れる4番や!セCS新8打点

 「セCSファイナルS第4戦、巨人4-8阪神」(18日、東京ド)

 王者の心をへし折った。粘り、追い上げようとする巨人のプライドを完ぺきに打ち砕いた。下克上を完遂させた4番のダメ押しタイムリー。ファイナルSで16打数6安打8打点と圧倒的な働きを見せた阪神・ゴメスが、虎を9年ぶりの日本シリーズへ導いた。

 総仕上げの舞台が整ったのは4点リードの七回だった。序盤で6点を先攻したが、追加点を奪えず相手に追い上げられていた中で迎えた1死満塁の好機。カウント1-1からの3球目、128キロのフォークに泳がされた。それでも体が開くのを懸命にこらえ、バットの芯でボールをすくい上げた。

 打球は左前に弾み、一気に2者が生還。この瞬間、敵地・東京ドームの空気が明らかに変わった。巨人サイドの絶望感、そして阪神サイドの高揚感。ファイナルSの雌雄が決した瞬間、「この瞬間のためにやってきた」と誇らしく胸を張った。

 「1年間、勝負強さを出してくれた」と目を細めた和田監督。それを可能にしたのは不断の努力だった。結果が出なければ、オマリー打撃コーチ補佐と即座に修正。無安打に終わった第2戦の翌日にも、三塁側のブルペンにこもって修正を怠らなかった。

 「彼は何でも取り入れようという積極性があるからね。そこがチャンスに強い要因」と同コーチ補佐は語る。「首脳陣や妻、すべての人に感謝したい」と笑ったゴメス。こんな頼もしい4番がいなければ、シーズン2位、そしてCS突破もありえなかった。

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