“9月絶好調男”福留打で虎CS決めた

 「阪神2‐1ヤクルト」(27日、甲子園)

 阪神が2年連続5度目のCS出場を決めた。決めたのは連夜のヒーロー・福留孝介外野手(37)だ。八回2死一、三塁から左前適時打で勝ち越した。2位・広島とのゲーム差は0・5に迫った。残り3試合。「あと3つすべて勝つ」と宣言した頼もしいベテランが次はCS甲子園開催へ導く。

 体勢は崩された。それでも目いっぱい腕を伸ばし、外角へ逃げる白球をバットの先で拾った。「当てないとどうにもならん。ああいう場面だし、食らいついた」。勝利への執念。勝負師としての意地。福留が2日連続でガッツポーズを繰り出した。

 同点の八回2死一、三塁。決勝の逆転3ランを放った前日26日の広島戦同様、目の前で石山から左腕・中沢に代わった。

 「きのうのこともあったので、逆にいい気持ちで打席に入れた」

 内角シュートを2球ファウルし、カウント1ボール2ストライク。「バットに当てて前に飛ばせば何とかなると思った」。外角スライダーを打ち返すと、詰まった飛球が左翼の芝生で跳ねた。今季2度目の猛打賞となる一打で、2年連続のCSを決めた。

 “絶口調”だ。伊藤隼とともに2日連続のお立ち台に上がると、先にインタビューを受けた後輩が「孝介さんが調子がいいので、出た場面で結果を出していきたいです」と発言。すると、すかさず「伊藤隼太くんに負けられないという気持ちで頑張りました」とコメントし、万雷の拍手を浴びた。ベンチ裏では好調の要因を問われると「よく寝ること」。福留節もさえ渡った。

 昨季は左膝の手術、今季は3月30日の巨人戦で西岡との激突…。アクシデントの影響で時間はかかったが、周到な「準備」が結果に結びついてきた。

 昨年の左膝手術後は、必ずリハビリ開始の2時間前に鳴尾浜の施設に入った。担当トレーナーは「自主的に多くのことをやってくれていた。例えば遠投する日は、朝に肩回りのトレーニングなどをしていた。ほかの選手も学ぶべき姿勢だと思う」。今でも練習前、個別での約30分間のランニングが日課。先を見据えた取り組みが、今につながっている。

 2位・広島が敗れ、0・5ゲーム差。甲子園でのCS開催が現実味を帯びてきた。「あと3つ全て勝つ」。百戦錬磨のベテランは、前を見据え、力強く言い切った。

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