呉昇桓2回完全投球!またいでも安心よ

 「阪神3-4中日」(21日、甲子園)

 阪神の呉昇桓投手(32)が同点の九回から登板し、来日最長の2イニングをパーフェクトに封じた。チームは拙攻が響いて敗れ、再び自力2位の可能性が消え、2位広島から1・5ゲーム差に“半歩”後退した。ただ、CSファーストS本拠地開催は譲れない。そして、CSでも守護神の力投に期待がかかる。

 獅子奮迅の活躍だ。同点の延長十回、守護神・呉昇桓が来日4度目のイニングまたぎのマウンドに上がった。いつも通り表情を変えず、淡々と任務を遂行する。威力十分の石直球とカットボールを武器に、三者凡退。来日初の2イニングを打者6人でパーフェクトに抑えた。2三振を奪った九回に続き、文句なしの働き。ベンチの期待に応えた。

 「1イニング目が終わったところで、2死走者なしなら(2イニング目も)いくと言われていたから、準備はできていたよ」

 これで6試合連続無失点。信頼して十回のマウンドへ送り出した和田監督は「初めて2回投げたけど、言うことない。できれば投げている間に、1点取ってやりたかった」と高く評価した。後半戦に入り、イニングまたぎは3度目だが、すべて完全に抑えている。

 シーズン佳境を迎えて石直球の球威が増してきた。その要因は、鋼の肉体にある。2月の春季キャンプ。石仏は異国での戦いに備え、韓国時代より体を絞って来日した。春先から周囲の期待通り、セーブを重ねたが、自分のボールに納得はできなかった。少しずつ体重増を図り、来日当初の89キロから現在はベスト体重の93・5キロまで限りなく近づけた。

 九回の攻撃では一塁ベース上で苦笑いを浮かべていた。3‐3で同点の2死走者なしから、呉昇桓は西岡に借りたバットを握り、来日初打席に立った。

 聖地がどよめきに包まれる中、福谷の初球に自然と反応。149キロをミートした打球は高く跳ね上がり二塁内野安打に。「1球しか見てないからあっと言う間に終わったよ。初球は狙っていなかったけどね」。試合後も苦笑いで振り返った。

 韓国はDH制で、これが正真正銘のプロ初安打だった。後続が倒れて無得点に終わったが、一打サヨナラのシーンを演出した。

 ただ、チームは延長で敗れ痛い黒星。2位広島とは1・5ゲームに広がった。シーズン残り8試合、負けられない戦いが続く。そしてブルペンには頼もしい男が控えている。

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