ゴメス、特大ファウルのちV打で99打点
「阪神9‐3中日」(19日、甲子園)
来日最長の飛距離だったかもしれない。同点の二回2死一、二塁。阪神・ゴメスが山井の浮きあがったスライダーをジャストミートすると、大飛球が左翼ポールの最上部をかすめた。
塁審の両手が上がり大歓声がため息に変わる。ゆっくりと一塁へ足を進めたが、特大3ランは幻に終わった。
「ファウルになって、少しツイてないなと思ったけど…。すぐに切り替えたよ」と表情を変えず、2球目をスタンバイ。狙い球に腕を伸ばした。「ファウルを打ったのもスライダーだったから、もう1球くらいあるかなと思って、ストライクゾーンにきたら持っていこうという気持ちだった」。仕留めたのは外角低め。見逃せばボール球だったが、左前へ運び、勝ち越し点をもたらした。
この一打でリーグ最多の打点を「99」まで伸ばし、大台にあと「1」と迫った。来日会見で打点を「一番意識する」と言った。それでも、持ち味の平常心がブレることはない。
「残り10試合、リラックスして打席に入って、しっかりと捉えることだけを考える。それが結果的に打点につながればいいと思う」
来日1年目で100打点に到達した阪神の助っ人はいない。ゴメスは肩の力を抜いて、球団「史上最強」の称号をゲットする。