西岡がムード変えた!代打で適時三塁打

 「阪神5‐0広島」(14日、甲子園)

 流れが変わったと信じたい。阪神は前日の17失点大敗から一転、7月21日の巨人戦以来、今季12度目の完封勝利で、3カードぶりに勝ち越した。七回、福留孝介外野手(37)のソロで1点を先制した後、背中を痛めていた代打・西岡剛内野手(30)が適時三塁打を放った。2位の広島とは2・5ゲーム差。西岡は言った。「残り試合を全力で戦うことを誓います!」‐。

 ファンが大歓声を上げて待っていた。西岡がお立ち台に上がる瞬間を心待ちにしていた。この男なら、“よどんだ空気”を晴らしてくれる‐。そんな期待感を背番号7は裏切らなかった。「今年は給料ドロボーになったけど、残り試合を全力で戦うことを誓います!」と言い切ると、モヤモヤを吹き飛ばすように聖地が沸いた。

 「きっと盛り上げるために(お立ち台へ)上げられた」と西岡は苦笑いを浮かべたが、結果も申し分なかった。七回、福留の一撃で先制し、なおも2死二塁の場面。ここでメッセンジャーに代打・西岡が告げられた。

 変化球攻めでカウント1‐2と追い込まれ、迎えた4球目。「とにかく二塁走者をかえす」と真ん中低めのチェンジアップをきれいにすくい上げた。打球は前進守備の右中間を真っ二つに破る適時三塁打。価値ある追加点をたたき出した直後、報道陣に「関本さんならシングル、新井さんなら二塁打。僕だから三塁打になりました」とコメントを配信し、あえて切り札の2人をいじることでベンチの空気も変えた。

 「チームが勝ったことが大きい。昨日、あんな負け方をしたけど0‐1で負けるのも一緒。次の日があるし、選手はそれに立ち向かってやっている」と力を込めた。「僕は途中からで体も心も元気。これからも元気にやっていきたい」と澄み切った表情で言う。

 11日の昇格直後、西岡は「打撃はだいぶいいよ。でもこれ以上は言わんとくわ」と笑みを浮かべていた。しっかりとバットを振れることがうれしかった。本来の姿に戻った実感があったからこそ、故障後初めて手応えを漏らした。

 前回6月の昇格時、痛めた首の周辺には、まだ若干の痛みが残っていた。それを猛練習でかき消そうとした。チームの休日、ひそかに打撃投手を呼び室内で打ち込んだこともあった。そんな状態と今は違う。1打席勝負でも漂う確かな自信‐。CS本拠地開催へ、復活した西岡のバットが確かな道しるべを描いた。

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