梅ちゃん一発!同級生岩貞に男気祝砲
「DeNA2-5阪神」(17日、横浜)
格別な1勝だった。阪神・梅野はヒーローインタビューで岩貞が自身のリードをたたえたことを知ると、目尻を下げて白い歯を見せた。
「まじっすか?勝ちたいという気持ちが強かったし、それを引っ張れたのはよかった。阪神でも一緒にプレーできることもうれしいけど、ここで勝てたこともよかった」
岩貞とは福岡大2年時、11年の日米大学野球でチームメートとなってから親交を深めた。今回は春季キャンプのブルペンで受けて以来のコンビ。初回から大きなジェスチャーで上下左右へ要求した。
「前回よりもスライダーもカットボールもよかった。それで直球も生かせた」。相方をほめたが、5回2/32失点の背景には梅野のリードがあった。
同期のプロ初勝利に花を添えた7号ソロも格別だった。2点差の八回2死。林の外角フォークを引きつけて、逆方向へ打ち返した。
「最近バットの出がよくなってきていたので、しっかり切れずに伸びてくれた」。プロ初の右方向への本塁打は、勝利を決定づけるダメ押し弾となった。
7月11日の巨人戦で6号を放って以降は本塁打が出ず、結果も伴わなくなった。
「迷いがある」。強気な新人が珍しく弱気な言葉を口にした。だが、現状を打破できるのも自分しかいない。15日から3日連続でアップ後に横浜スタジアムの室内練習場で特打を行った。
「捕手として自分と対戦する時に、どうやって攻められたら嫌かを考えて、2ストライクまでしっかり振ることを考えている」。プロ入り後にフォームを変えたことはない。貫いてきたフルスイングを生かすために、頭もフル回転させて復調への道を探ってきた。
その苦労が7月9日の広島戦以来となるマルチ安打にもつながった。同期と戦った夜。梅野にも格別な手応えが残った。