ゴメス“力業”で開幕27戦連続出塁
「DeNA8‐4阪神」(27日、横浜)
四球を選ぶ気なんかさらさらなかった。他力本願での出塁なんか、眼中になかった。火の出るような打球でヒットのランプをともしたゴメス。虎の4番が“力業”で、開幕からの連続試合出塁を27へ伸ばした。
大差がつき、敗色濃厚の八回だった。ここまで3打席連続で凡退。良い当たりをしても野手の正面を突く不運に見舞われていた。さすがに記録が止まるかと思われた1死走者なしの第4打席。このラストチャンスで藤江が制球を乱し、3ボールと四球も選択肢に入る状況になった。
ここで見極めれば…。それでも打席の本人にそんな考えはみじんもなかった。4球目、内角高めの直球に食らいつくと、打球は痛烈に左翼ポール際を襲った。惜しくも切れてファウル。大きなため息に球場は包まれたが、本人は一切、真剣な表情を崩さない。
フルカウントになってからの6球目、真ん中低めの直球を上からガツンとたたくと、打球は強烈なライナーで右翼線に落ちた。ワンバウンドでフェンスを直撃した。打球が速すぎてゴメスは一塁でストップ。自力で記録を伸ばし「3ボールになった時点で次はストライクが来るだろうと思っていたので、積極的に打っていこうと」と胸を張る。
かつて、虎の4番として確固たる地位を築いた掛布DCは「4番が大差のついた負け試合で四球を選んでも何の意味もないんだよ」。逆転へとゲームを動かし、投手にダメージを与えるのはヒットであって四球ではない。だからこそ現役時代はウイニングショットをあえて狙っていた。
相手に恐怖心を植え付ける意味でも、3ボールから果敢に打っていったゴメスからは4番の風格が漂う。自らのバットでつないだ記録だからこそ、確かな価値がある。
関連ニュース


