4番ゴメス78打席目ついに出た来日1号

 「広島8‐2阪神」(17日、マツダ)

 ついに出た。阪神の新外国人、マウロ・ゴメス内野手(29)が四回1死、中越えに来日初本塁打を放った。開幕から18試合、78打席目で4番に待望のアーチが飛び出した。ただ先発のメッセンジャーが序盤に崩れて、チームは3カードぶりの負け越し。3位に転落した。

 借り物の白木がごう音を奏でた。圧倒的なパワーにはじかれた白球が、低い弾道でバックスクリーンへ伸びていく。フェンス直撃かと思われたが、数メートル上を通過してスタンドイン。滞空時間が5秒にも満たないゴメスの“驚弾”に、敵地は予想外の歓声に包まれた。

 その声をバックにゆっくりとダイヤモンドを一周したゴメス。本塁上で神に感謝した一打は開幕から18試合、78打席目で飛び出した来日1号だ。4点を追う四回、1死走者なしで迎えた第2打席。バリントンが投じた初球、142キロのストレートをフルスイングではじき返した。

 その手に握られていたのは深緑の相棒ではなく、練習前に福留から借りたバット。「持った感触が良かった。(重さや長さなど)詳しいことは分からないけど、感覚なんで。それが良い結果につながった」と借り物で待望の初アーチをかけた。

 「少し安どした部分もある」と本人が胸の内を明かせば、和田監督も「状態は良かったけど、本人もモヤモヤしてた中で、これでスッキリしたでしょう」とゴメスの心情を代弁した。長打力を期待されながら、なかなか一発が出なかった事実。生真面目な性格だからこそ、本人の中でも重圧に変わっていた。

 そこで怠らなかったのが不断の努力‐。先週の甲子園6連戦、練習開始前にゴメスは必ず室内練習場へ向かった。カーブマシンを打ち込み、打球を上げる感覚をつかもうと必死だった。

 昨オフ、スカウティングレポートの特記事項に記されていたのが「非常に練習熱心」という一文。駐米スカウトのシーツとウィリアムスが現地のスタッフや指導者から聞き取りを行い、ゴメスが“日本向き”の性格であることを強調していた。

 異国の地で必ず失敗はある。カベに当たることもある。そこを乗り越えるために欠かせない大切な要素‐。「チームが負けたんで」と表情を崩さなかったゴメス。連敗からの再進撃へ、4番の一発が確かな原動力になる。

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