マートン得意のライアンから3安打も…

 「ヤクルト5‐2阪神」(4日、神宮)

 誰もが逆転を信じて疑わなかった。その思いを象徴するように、阪神ファンの大歓声が背番号9に降り注いだ。最高潮に高まったムード、打席で悠然と最高の獲物を見つめるマートン。だが一振りですべてのシナリオは崩れ去った。仕留め損なった助っ人は、一塁を駆け抜けると歯を食いしばって天を仰いだ。

 たった一度のミスショット‐。それはゴメスの中前適時打で1点差に迫り、なおも1死一、二塁の場面で迎えた第4打席だった。ここまで3打数3安打。いずれも小川のファーストストライクを完ぺきに捉えていた。

 昨季、11打数8安打と絶対的な相性を誇った相手を葬り去る絶好のチャンス。1ボールからの2球目、小川が投じた直球は真ん中高めに浮いた。「ゾーンに入ってきたボールは振っていこうと思っていた」。絶好球を捉えたと思われたが、バットの先にはじかれた打球はショートの正面に飛んだ。6‐4‐3と転送され、最悪のダブルプレー。燃え上がった反撃の炎は一瞬にして消えてしまった。

 「あの場面は打てる球をしっかりと打ちにいって、強く打てたんだけど残念な結果になった。ああいう状況だったし」と振り返ったマートン。二回の左中間二塁打、五回の右中間二塁打、そして六回の右前適時打といずれも小川の失投を見逃さなかった。最後もコンタクトは悪くなかっただけに、決して悲観する内容ではない。

 関川打撃コーチも「あの状況でウチの一番、良い打者が出て行ってああいう結果になってしまった。マートンを責めることはできない」と言う。今季初の猛打賞で打率はチームトップの・417。3試合連続打点をマークする男でもかえせなかった事実。“弘法にも筆の誤り”という言葉があるように、納得して切り替えるしかない。

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