能見が投打に躍動!今季初星に笑顔
「阪神7‐4中日」(3日、京セラ)
ホッとした表情で、勝利の列に加わった。阪神・能見が投げて、打って今季初勝利。6回を投げて、8安打3失点。エースが開幕戦の悪夢を払しょくする大きな1勝を手にした。
「今できることをやろうとしている。序盤から点を取っていただいて、いろいろ自分でやることはある。とりあえず、チームが勝てて良かったです」
初回はリズムよくアウトを重ねた。大島、荒木、ルナをすべて内野ゴロ。直球、フォーク、スライダーを効果的に投げ分け、的を絞らせなかった。
だが二回以降は毎回安打を浴びる苦しい投球。五回までは無失点でしのいだが、六回に崩れた。無死満塁から和田の左前2点打と捕逸で3失点。6回105球で降板した。
投球は本来のものではなかったが、バットで自分を楽にした。三回1死二塁。今シーズンから新たに作成された自身の応援歌が流れる中、左前適時打を放ち期待に応えた。「いいところに落ちてくれました。ナリ(今成)が二塁から判断良くかえってきてくれました」。リードを5点に広げる一打を振り返った。
エースに勝ちがつき、和田監督は一安心だ。「初回から飛ばしていたから、ちょっとバテたかな。どんなピッチャーでも1つ勝つまでが大変。これで大丈夫だと思います」
エースの存在は、ベテランが控えるブルペンに安心感を与える。能見が「レジェンド」と慕うチーム最年長37歳の福原は試合前、「能見が投げる日は休みや。今日は休み」と笑った。結果的に登板することになったが、信頼が揺らぐことはない。「こんな日もあるよ(笑)。前回やられた能見に勝ちがついたのは大きいね」と喜んだ。
エースの粘投はチームに今季初の連勝を呼び込んだ。「チームが勝つことがすべて。これから上がっていけばいい」。能見の目標はただ1つ。悲願のVのため左腕を振る。