呉昇桓にG倒術!先輩・林昌勇から伝授

 阪神の新守護神候補・呉昇桓(オ・スンファン)投手(31)が18日、米グアムで元ヤクルトの林昌勇投手(37)=カブス=との合同自主トレを公開した。日本球界で通算128セーブを挙げた林昌勇から、日本で成功するための極意を学んでいることを明かした呉昇桓。阿部ら巨人の強打者を封じた先輩の投球を参考に、剛腕が成功を誓った。

 グアムの澄み切った青空の下、呉昇桓の投じた「石直球」が順調な調整ぶりを物語る。最長50メートルのキャッチボールではズシリと重い剛速球が次々と、林昌勇のミットに吸い込まれた。

 韓国・サムスンでの新人時代にルームメートだった先輩との合同自主トレ。長年ラブコールを送り続け、今回ようやく実現した。1カ月以上、ともに過ごした南国での日々は収穫に満ちていた。

 「一緒に練習できて刺激になります。日本で長く活躍したので、いろんなアドバイスをもらっています。生活面から食事面、試合後のことまで、全部聞いています」

 マウンドで笑わない「石仏」が、表情を緩めた。ヤクルトに2008年から5年間在籍し、通算128セーブを挙げた林昌勇はこれ以上ない、お手本だ。日本球界での成功の秘訣(ひけつ)を聞き出し、そして宿敵・巨人を封じる術(すべ)を授かった。

 主砲の阿部を13打数2安打と抑え込んだ林昌勇は「いろんなことを考えず、強い気持ちを持って投げること」とアドバイスの一端を明かした。「具体的には話せないですが」と手の内を伏せた呉昇桓は、「他にもいい選手がいるのは分かっている。

 昨年サムスンで一緒にプレーしたイ・スンヨプ選手からもいろんな話を聞きました」。積極的に情報収集を進め、対戦へのイメージを着々と膨らませている。

 後輩の力を誰よりも知る林昌勇は、高い期待を寄せる。「自分の持っている記録を全部塗り替えるまで、帰ってくるなと言った。『確実に全部塗り替えます』と言っていた。韓国時代も自分の記録をすべて破ったので、日本でも破って帰ってくるだろう」。活躍に太鼓判を押し、さらに「ヤクルトでは試合後に後輩と一緒に食事に出掛けた。一人でいるより寂しくないし、楽しいからね。日本語も韓国語と似ているから、1年いたら分かってくるよ」と“日本語のススメ”を説いた。

 新たなステージに挑戦する呉昇桓は「数字を計算してシーズンに入ったことはない。勝っている試合をそのまま終わらせたい」と言い切った。さまざまな助言を生かせれば、前人未到の50セーブも決して夢ではない。圧倒的なオーラをまとう新守護神が、間もなく沖縄に上陸する。

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