マートン初の劇的弾!2戦連続サヨナラ

 「交流戦、阪神2-1西武」(6日、甲子園)

 阪神が5年ぶりの2試合連続、今季5度目のサヨナラ勝ちだ。マット・マートン外野手(31)の一振りで決めた。1‐1で迎えた九回、球団史上100本目、自身来日初のサヨナラ弾を左翼席へたたき込んだ。宿敵巨人が勝って、一気に首位再浮上とはいかなかったがピタリ0・5差。交流戦の貯金も1とした。

 これは神の啓示か、奇跡の予兆か。苦戦を強いられた西武のサブマリン・牧田。だが九回、猛虎の4番が“神の一撃”を見舞う。牧田が投じた114球目。そのスライダーが曲がらず、引き寄せられるようにストライクゾーンへ入ってきた。

 その失投を逃さない。「センター方向に、強い打球を打とうと思った」。マートンの鋭いスイングから生み出された打球は、虎党の大歓声にも乗って左翼席へと消えた。

 来日4年目で自身初、そして球団史上100号となるサヨナラ本塁打だ。「本当に最高の気持ちです。最高の気持ちでいっぱいです」。手荒い仲間たちの祝福に、主砲の笑顔が絶えなかった。

 勝者と敗者。その差は紙一重だ。この日、女神はマートンにほほ笑む。「バットを替えたので、それがラッキーバットになったね」。九回の打席。初球のスライダーを空振りしたマートン。2球目に備え、構えに入る前にバットを見つめる。わずかに角度を変えた時、その異変に気付いた。

 「前の打席で詰まらされた時に割れていたようだけど、それに気付かず打席に入った。角度を少し変えたらヒビが入っているのに気付いたんだ」

 新しいバットに替え、再び勝負に臨む。虎党を熱狂させた劇弾が飛び出したのは、直後の2球目だった。「こんなことが起こるとは思っていなかった。空から誰か見ていてくれたのかな」。冗談めかして話したが、決して偶然の産物ではない。

 牧田の資料に目を通していたが「前回登板は外角中心の投球となっていたが、今日は内角中心の攻めだった」という。六回無死一塁では、内角直球で遊撃ゴロ併殺打に倒れていた。だが、すぐに思考を切り替える。

 緩急を操る牧田の前では、球速さえ幻惑のもと。「そういう気持ちを捨て、アグレッシブに行こうと思った。球の速い投手と同じ感覚でね」。常に心掛ける準備。意識の高さが生んだ本塁打だ。

 和田監督も「完ぺきな当たり。リストの利いたいい打撃」と絶賛。前夜の西岡に続く日替わりヒーローの登場も、今のチーム状態の良さを示す。

 お立ち台でマートンは「モウイッチョ、モウイッチョ、モウイッチョ、オネガイシマス!」と劇的な勝利を続けていくと誓った。これは神の啓示でも、奇跡でもない。積み重ねた努力の結晶。本物の強さだ。

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