藤浪“松坂超え”高卒新人初の4月3勝

 「DeNA3‐5阪神」(28日、横浜)

 サンデー晋ちゃんが松坂超えを果たし、球史を塗り替えた。調子はそれほど良くなかったが、要所で粘った。6回3失点の阪神・藤浪晋太郎投手(19)が3連勝で3勝目をマーク。ドラフト制以降、高卒新人の4月3勝は史上初の快挙だ。プロ初安打も記録した孝行息子は、どこまでも高みを目指す。

 平成の怪物でさえ、なし得なかった偉業を、黄金ルーキー・藤浪がやってのけた。舞台は松坂が横浜高校時代を過ごした球場。6回5安打3失点で3勝目。これまで松坂ら高卒新人がマークした4月2勝を上回った。藤浪が松坂を超えた。

 「聞いていましたけど意識してなかったです。あまり個人の記録に興味がないので、チームとして勝てて良かったです」

 序盤は苦しんだ。二回に3点の援護をもらったが、その裏、松本の2ランで追い上げられると、三回には井手の犠飛で同点に追いつかれた。

 だが四回から持ち前の高い修正能力を見せた。直球中心の配球を変え、カットボールの割合を増やし、3イニングを零封。「カットボールが良かったので、藤井さんもそれを酌み取ってくださって、カット中心のリードをしてくれましたね」。

 19歳にして、勝つすべも心得ている。勝ち越した直後の六回の投球だ。先頭の井手に四球後、ブランコに力勝負を挑んだ。「変化球で逃げてしまうと、厳しいコースにいっても持って行かれてしまう」と直球勝負を選択。初球の149キロで左飛に打ち取り、続く中村を三ゴロ併殺打に。流れを相手に渡さなかった。

 関大一高時代、98年センバツ決勝で松坂と投げ合った久保が「剛と柔」と話すように、松坂と藤浪はタイプが異なる。現役時代に西武で松坂のルーキーイヤーを知るDeNA・友利投手コーチも2人をこう比較した。

 「大輔とは全く違う。大輔は完成されていた。藤浪はダルビッシュの1年目の時のような素材型というか、大輔よりも伸びしろがある。体ができたら、まだまだ伸びていく。末恐ろしいよ」。どこまで伸びるのか。可能性はまさに無限大だ。

 西岡発案の決めポーズも照れながら初披露した。「西岡さんが『今回はやれ』ということだったので…」。福留の2ランが飛び出した二回、先輩と一緒に両手で指をそろえ、空に向かって突き上げた。「振ったら、たまたま当たりました」と六回にはプロ初安打となる右中間二塁打を放った。

 「日曜日は勝つと思って送り出している」と和田監督の信頼感は増すばかり。「自分が思っているより助けていただいて、勝たせてもらっているので、年間通してしっかり頑張りたい」。高卒新人初となる3・4月度月間MVPも視界に捉えた。藤浪が、誰も進めなかった道を歩んでいく。

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