鳥谷&マートン速攻で鮮やか沢村攻略
「阪神3‐0巨人」(11日、甲子園)
阪神が前夜の鬱憤(うっぷん)を晴らす、流れるような速攻を決めた。初回だ。先頭に西岡が右前打で出塁すると、大和が初球に犠打を決めて1死二塁。そして、ここまで打率・216と不振のキャプテン・鳥谷が打席へと向かった。
「剛(西岡)が出て、大和が送ってくれて。何とかしたいと思っていた」。巨人先発・沢村が投じた外角直球を左前へはじき返す適時打で、先制点を奪った。前日は好機で1本が出ず、0‐0のドロー。それだけに「昨日、ああいう引き分けだったので、先に点が取れて良かった」と喜んだ。
昨季は沢村に対して17打数9安打、打率・529と抜群の相性を誇った鳥谷。それは今季も変わらない。「イメージ通り?安打になったのでね。WBCでもずっと見ていたから(イメージは)変わらないですよ」と、冷静に振り返っていた。
そして追加点は4番・マートンだ。三回2死二塁から、沢村のシュートに詰まりながらも右前へ運ぶ適時打。八回には5番・福留にも右前適時打が飛び出し、新井良の離脱後に組み直された新クリーンアップが、すべての得点をたたき出した。
ただ、これで気を緩めるわけにはいかない。「ナイスゲーム、ナイスウィン!」と上機嫌だったマートンも、すぐに「また明日はDeNA戦がある。そこに集中したい」と引き締め直した。会心の攻撃。これを続けてこそ、勢いは本物になる。
