スタンG封“阿部キラー”また本領発揮
「阪神0‐0巨人」(10日、甲子園)
浜風吹き付ける肌寒い甲子園で、“スタン桜”が乱れ咲いた。昨季8打数無安打と完璧に封じた4番・阿部をこの夜も眠らせた。最速150キロの直球を軸に、7回4安打無失点、6奪三振。聖地のマウンドで阪神・スタンリッジが輝いた。
初回が最大のピンチだった。先頭・長野の中前打から1死二、三塁のピンチを招いたが、4番の阿部をブレーキの利いたカーブで空振り三振。続く村田も打ち取り先制点を与えなかった。三回の2死一、二塁の場面でも阿部を遊ゴロに抑えた。
昨季の甲子園初登板も杉内と投げ合い、6回3安打無失点で勝利投手になっている。「杉内投手と投げあうときはどんなときでも厳しいゲームになることは分かっていたけど、杉内投手と投げ合えて楽しかった」
来日6年目。春の訪れを告げる桜が大好きだ。「すごく素敵だね。野球を辞めたら持って帰って家の裏庭に植えようと思っているんだ。引退記念にね」。日本人のように花見をすることはないが、家族と散歩に出かけ、桜の木を見つけると必ず立ち止まる。スタンリッジにとって桜は大好きな日本そのものだ。
“和”の心も持ち合わせる。試合後も仲間への感謝を忘れない。「きょうはいいボールが投げられた。それよりも西岡選手と福留選手の守備が大きかった。2人のプレーに助けられたよ」
勝ち星は付かなかったが、阿部キラー、いや、Gキラーを強烈に印象づけた。次回も巨人戦(17日・東京ドーム)に登板予定。「いいチームに投げる方が楽しいよ。次も投げられたら興奮するだろうね」。強力打線の前にスタンリッジが立ちはだかる。