福留豪弾締め!師匠「順調過ぎる」
阪神・福留孝介外野手(35)が28日、大阪府吹田市の日本生命グラウンドで自主トレを行い、フリー打撃で推定140メートルの特大弾を放ち、大阪での練習を打ち上げた。3日間の練習に付き添った元近鉄監督の佐々木恭介氏(63)は、「順調過ぎるぐらい」と状態に太鼓判。6年ぶりの日本球界復帰となる虎の救世主にスキは見当たらない。
日本での再スタートまであと4日。準備は整った。福留が大阪での最終自主トレを豪弾で締めくくった。
午後からのフリー打撃。70スイング目だった。軸のぶれないスムーズな回転から放たれた打球が高々と放物線を描く。両翼100メートルの右翼フェンスを越え、その後方に設置された約30メートルの防球ネットの中段に直撃。推定140メートルの特大弾だ。
「技術的な部分はまだまだだけど、バットを振れるという段階には来ている」。下半身が出来上がるまではバットを振らないポリシーを持つ。年明けからのハワイ自主トレでは徹底して走り込み、強じんな土台をつくり上げた。その成果が表れた一発に笑みがこぼれた。
さらに中日時代から師弟関係にあり、大阪での3日間の自主トレに付き添った佐々木恭介氏が「体は万全、肩は8割、打撃は7割」と表現した仕上がりでの一発。万全な調整を示すには十分な弾道だった。
6年ぶりの日本球界復帰へ向けて準備は順調に進んできた。ハワイからは19日に帰国。25日から古巣の日本生命のグラウンドで自主トレを開始した。大阪での自主トレ打ち上げとなったこの日も、小雪も舞った午前中から軽快な動きを見せた。
午前9時半から約1時間、入念にアップ。キャッチボールでは約60メートルまで距離を伸ばし、鋭い送球を繰り返した。「別に目いっぱいで投げているわけじゃない」と話したが、ノックでは右翼から矢のような送球を連発した。
今年3度目のフリー打撃では73スイングで6本の柵越え。安打性の当たりは32本だった。佐々木氏は「最初の2日間はどうかな、と思ったけどきょうは下半身の粘りがあった。問題ない。順調過ぎるぐらい」。中日時代の02年に1軍ヘッド兼打撃コーチとして見守った恩師からもキャンプへゴーサインが出た。
2月1日からは新天地でのキャンプに臨む。心境について問われると「不安。不安で一杯」とおどけて見せた。だが、直後に「オレはどこでも寝られる。何も持っていかない」と豪快に笑った。
「久々に日本のキャンプに入るんで、思い出しながらやってきた中で普通にできた」。思い描いた準備は整った。福留は満を持して再出発の地・沖縄へ乗り込む。