香川2発で“GKパス”の汚名返上

 「W杯アジア2次予選、アフガニスタン0-6日本」(8日、テヘラン)

 ハリルジャパンにようやくエンジンがかかってきた。日本代表は8日、中立地のテヘランで行われたE組第3戦でアフガニスタン代表を6-0で下した。通算2勝1分けの勝ち点7で同組2位に浮上。MF香川真司(26)=ドルトムント=が先制弾を含む2戦連発の2ゴール。岡崎も2得点、本田と森重もゴールを挙げた。10月8日には再び中立地のオマーンでE組首位のシリアと顔を合わせる。

 代表でのMF香川が輝きを取り戻した。前半10分、ゴール左寄りでパスを受けると素早く反転し、背負った相手をかわした。ゴールまで約20メートル。迷わず右足を振り抜き、ゴール左隅に突き刺した。大勝の口火を切った先制弾。「いい形でシュートを打てた」と振り返った背番号10にとって、代表2戦連発はW杯ブラジル大会直前の14年6月以来となった。

 後半5分には左足でチーム3点目を決めた。A代表での1試合2発は、11年10月11日のW杯ブラジル大会アジア3次予選タジキスタン戦以来約4年ぶり。代表通算23得点とし、FW高原直泰に並ぶ歴代9位タイに躍り出た香川は「まだまだ積み重ねていきたい」と、上乗せを見据えた。

 汚名返上のゴールにもなった。3日のカンボジア戦で1得点は挙げたものの、前半42分にはゴールまで約2メートルの至近距離から、フリーのシュートをGKに“バックパス”するミス。失態を取り返すべく臨んだ一戦だった。

 「細かいプレーよりダイナミックなサッカーを意識した」という言葉通り、トップ下としてサイドに流れ、中盤の底にも顔を出すなど日本の前線に活力を与えた。後半31分に交代でピッチを去った際、ベンチからハイタッチで出迎えたハリルホジッチ監督の笑顔が、この日の香川のデキの良さを物語っていた。

 指揮官は「シンジはクラブでのパフォーマンスを代表でも見せている。チームにとって重要な選手。このまま続けてほしい」と手放しで褒めた。

 所属するドルトムントでは、今季公式戦7試合で3戦連発を含む4得点3アシストと好調を維持していた。代表では、なぜか“別人”となっていたが、ようやく背番号にふさわしいプレーを披露した。

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