闘莉王が名古屋を救う 出産目前の妻激怒「相~当怒ってるね」

 昨季限りでJ1名古屋を退団し、事実上の引退状態だった元日本代表DF田中マルクス闘莉王(35)が26日、ブラジルから関西国際空港着の航空機で来日した。愛知県豊田市内の病院でメディカルチェックを受け、背番号は4に決定。28日に正式契約を結び、会見する。

 かばん一つで空港に降り立った闘莉王は、おだやかな笑みを浮かべていた。予想以上に引き締まった体からは、ブランクは感じさせなかった。

 「とにかく厳しい状況。一人一人が自分の力以上にやっていかないと、なかなか光が見えてこない。何としてでもね、光をもたらせるようにしたい」

 名古屋は第2ステージは2分け7敗の最下位で、年間順位はJ2降格圏の16位に沈んでいる。ジュロブスキー監督から正式な復帰要請の電話を受けたのは22日。精肉店で買い物をしていた。

 妻アリエリさんは9月11日に第1子を出産予定。「大変だよ。相~当怒ってるね。説得どころじゃないね。とりあえず出てきた」。激怒する新妻をブラジルに置いて、飛行機に飛び乗った。

 昨年11月、推定1億円の減俸提示や小倉GM兼監督との面談の時点で、小倉体制の破綻を見抜いていた。それらをわかったうえでクラブを去ることは、泥舟から自分だけ逃げ出したも同然。J2降格の危機を救うことは、自らに課した義務でもあった。

 シーズン終盤での異例の短期契約となるが、来年の契約については「まったく考えていない」と言った。ただ愛するクラブへの感謝と自らのケジメのために、闘莉王は戻ってきた。

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