鹿島V!6連勝締めCS出場権獲得

 「J1、鹿島2-0福岡」(25日、カシマサッカースタジアム)

 首位の鹿島が最下位福岡を2-0で下し、6連勝で勝ち点39として第1ステージ優勝を果たした。ステージ優勝は01年第2ステージ以来6度目で、最大5チームで年間優勝を争うチャンピオンシップ出場権を獲得した。初のステージ優勝の可能性があった川崎は大宮に快勝したが、勝ち点38で及ばず2位。第2ステージは7月2日に始まる。

 今季最多3万1636人で深紅に染まったスタンドが揺れた。通算17冠を誇る鹿島が常勝復活の足掛かりとする通算6度目のステージ優勝を決めた。

 勝てば優勝の一戦。昌子とカイオの主軸2人を出場停止で欠いた影響などみじんも感じさせない。前半27分に山本の今季初ゴールで先制すると、同37分には土居の2戦連発で試合を決定付けた。

 トロフィーを最初に高々と掲げたのはDF植田直通だった。「熊本の方がたくさん見ているから」と主将の小笠原に勧められた。故郷熊本の震災に心を痛める21歳は「応援してくれた方々に優勝を届けられてホッとしている」と胸をなで下ろした。

 今季9度目の完封だった。父・太実男さんからは「植田家に生まれたからには何でも負けるな」と言い聞かされて育った。この日も自身と同じ身長186センチながら、体重は12キロ重いウェリントンと激しい空中戦を演じて無失点勝利に貢献。10失点はリーグ最少だが、それでも「2桁は多い」と満足はない。

 功労者の花道も飾った。鳥栖へ完全移籍する青木の最後の試合。植田にとって“壁”となっていた存在だったが「最後にセンターバックを組めていい思い出になった。今までお世話になったので寂しい思いはある」とかみしめるように話した。

 リーグ戦では01年第2ステージ以来の栄冠だが、まだ何も成し遂げたわけではない。小笠原が「本当のタイトルじゃない」と話すように、09年以来となるリーグ制覇への通過点にしか過ぎない。

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