香川が鮮烈ボレー!エースに輝き戻る

 「W杯アジア2次予選、日本5-0シリア」(29日、埼玉スタジアム2002)

 既に最終予選進出を決めている日本が最終戦でシリアに5-0と圧勝し、E組首位通過を決めた。2得点1アシストを含む4得点に絡んだMF香川真司(27)=ドルトムント=は、代表通算25得点とし、MF中村俊輔を超え歴代8位となった。守備では2次予選全8試合を無失点で締めくくった。

 歓喜に揺れる埼玉スタジアムの中心で、香川がついに、力強く拳を握った。後半21分、ゴールに背を向けた状態で、MF本田のパスを胸トラップ。反転しながら左足を振り抜き、ネットを揺らした。

 日本ゴールに迫りつつあったシリアを黙らせる、豪快な一発。「ホームで決められていなかったので、良かった」。国内での得点は、14年3月のニュージーランド戦以来約2年ぶり。仕事を果たした背番号10は、誇らしそうに満員のスタジアムを見上げた。

 前半は何度も好機を逸した。CKからクロスを上げ、オウンゴールで1点目を誘発したが、GKとの1対1を逃すなどふがいない出来に、何度も天を仰いだ。

 それでも、スーパーゴールで息を吹き返した後は、香川の独壇場だった。カウンターで駆け上がり、絶妙なクロスで本田のゴールをアシストすれば、後半45分にはシュートのこぼれ球を自ら左足で押し込み、この日2点目。昨年9月のアフガニスタン戦以来6試合ぶりのマルチゴールで代表通算25点目を決め、背番号10を受け継いだMF中村俊輔(横浜M)を抜く、歴代8位に浮上した。

 「リスペクトしている選手なので良かった。岡ちゃん(岡崎)や圭佑くん(本田)みたいに(得点を)取り続け、結果を残し続けていかないといけない立場だと、自分に言い聞かせていきたい」

 5得点中4点に絡む活躍で、輝きを取り戻した背番号10。苦しいときこそ、決める。今月17日に27歳になったばかりの大黒柱が、たくましさを増してきた。

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