本田1A「許されるなら今日辞めたい」

 「イタリア1部リーグ、ACミラン3-0インテル・ミラノ」(31日、ミラノ)

 ACミランの日本代表MF本田圭佑(29)は4-4-2の右サイドで『ミラノダービー』に先発出場した。先制ゴールをアシストし、チームの3-0勝利に貢献。後半に退く際には7万7千人の大観衆から盛大な拍手を受け、「許されるなら今日引退してもいい」と充実感を表現した。一方、インテル・ミラノのDF長友佑都は出番がなかった。

 本田が徐々に輝きを取り戻し始めた。序盤は相手にボールを奪われることが数回あったが前半35分、右サイドから約20メートルのクロスをゴール前へ上げた。これをDFアレックスが頭で合わせた。この先制ゴールが3得点の流れにつながった。

 終了間際に退く際は、7万7千人のサポーターで膨れあがったスタンドから、割れんばかりの拍手と歓声が飛び交った。今まで何度もブーイングを浴びせられてきたが、この日は久々に温かいスタンディングオベーションの心地よさに浸った。

 「内容よりも結果が大切だった。勝ててよかった」。ダービーマッチでの2季ぶりの勝利。スタンドの拍手についてはこう続けた。「この年になるといつ辞めるかも考える。もし許されるなら今日の試合で辞めたい。そうすればファンの僕への印象ももう少し変わるんじゃないですか」

 不振と、自身のチーム批判の影響などから地元メディアの批判にさらされ、サポーターからもほぼ“不要”のレッテルを貼られた。だが、年明けから次第に調子が上向いた。

 チーム内の存在感と信頼も戻りつつある。「今後、試合に勝ったら、本田が勝たせた、(チームを)機能させたと書いてくれればいい」。胸を張って強い口調で言い切った。

 今季は本職のトップ下ではなく、サイドでの起用も多い。それでも「別にそんなのできるよって感じ」ときっぱり。この自信の塊ともいえる、ふてぶてしさが本田の真骨頂だ。金狼が鮮やかによみがえってきた。

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