“迷将ザック”場当たり采配?だらけ

 「ブラジルW杯・C組、日本0‐0ギリシャ」(19日、ナタル)

 日本代表アルベルト・ザッケローニ監督(61)の準備不足が露呈した。本田と並ぶ2枚看板のFW香川真司(25)=マンチェスター・ユナイテッド=を外す策を取ったが得点に結びつけられなかった。1点が必要な場面で交代枠を1人残し、ロングボールに強いギリシャ相手のパワープレー敢行といった不可解な行動を、1‐2で逆転負けしたコートジボワール戦から連発。パワープレーに有効な長身FWは招集しておらず、場当たり的な采配となった。

 自滅だ。後半42分ごろ、コートジボワール戦に続き、ザッケローニ監督はDF吉田を前線に入れた。長身選手にロングパスを入れるパワープレーだ。守備を固められても、内田の低く鋭いクロスから大久保が飛び込んだような決定機はあった。だが、監督は日本らしさを捨てた。吉田をめがけたパスは軽々とはね返された。

 導入の理由を「この2試合は通常のスピードを見せられていないから」と釈明した。速攻中心のスタイルを出せなかったことを受けた苦肉の策だった。それに適した大型FWは招集していないが「(戦術を)変えるなら前もって準備すべきだった」という、自身の失態を認めたも同然の発言も飛び出した。

 FW香川を先発から外し、2列目の左に岡崎、右に大久保という新布陣を初投入した。「サイドに力を入れ、相手を疲れさせる」という狙い通りに、岡崎は左サイドで好機を演出した。

 長谷部が「11対11の時にチャンスをつくっている時に決められなかった」と指摘したように、相手が10人になり守りに入ると効果が薄れた。終盤にドリブルが得意なFW斎藤を入れて切り裂く手もあったが、考えたのはMF青山。それも「青山を入れるなら吉田を後ろ(守備)に置く(必要がある)」という考えから、パワープレーを優先させ、交代枠を1人残した。

 ぐらつく采配に選手間でも意見の相違が出た。ボール支配率では68%と圧倒しながら得点できず、GK川島は「自分たちのサッカーではなく勝つことがすべて」と、「1本でも多くチャンスをつくる」と語る本田と対照的な意見を述べた。

 第3戦へ指揮官は「勝つこと。いつも私たちがやってきたように」と語った。終了直後、スタンドからはブーイングも飛んだ。限りなく小さい可能性を信じて戦うしかない。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

サッカー最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    スコア速報

    ランキング(サッカー)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス