「アルガルベ杯・決勝、ドイツ３-０日本」（１２日、ファロ）

　２年ぶりに進出した日本代表「なでしこジャパン」はドイツに０‐３で敗れ、初制覇はならなかった。ドイツは２大会ぶり３度目の優勝。２度目の準優勝に終わった日本は、２０１５年女子Ｗ杯予選を兼ねた女子アジア・カップ（５月・ベトナム）で７大会連続のＷ杯出場を目指す。３位決定戦ではアイスランドがスウェーデンを２‐１で下した。

　最後は完敗だったが、なでしこジャパンの佐々木監督は「僕自身そんなに大きなショックはないし、選手たちにもないと思う」と言った。それは強がりではない。過去１度しか勝っていないドイツを相手に、前半は持ち味を発揮。後半の交代策が不測の失点で裏目に出たが、２連覇を狙う来年の女子Ｗ杯へは確かな光明が見えた。

　前半はＭＦの澤、阪口らが中盤で効果的にボールを奪い、正確なパス回しで揺さぶった。２８分にはＭＦ川澄のシュートのこぼれ球にＦＷ大儀見、澤が詰めたが、惜しくも先制を逃した。主将のＭＦ宮間が「どちらが先にチャンスを決めたかという部分もあった」と振り返ったように、どちらに傾いてもおかしくない流れだった。

　０‐０で折り返すと、指揮官は「点を狙っていきたい」と澤に代えてドリブラーのＦＷ岩渕を投入。しかし、後半開始直後にＤＦ宇津木の中途半端なクリアから先制を許して計画が崩れ、後手に回った。大半の選手の所属リーグが開幕前で、終盤にはスタミナ不足も出た。

　欧州選手権６連覇の強豪に３失点。ドリブルや豪快なミドルシュートなど、個人技を見せつけられた。２年前に続く敗戦から得た課題は９０分間、いかに組織として集中して戦えるか。宮間は「Ｗ杯はもう１年後。チームの成長を速くさせないといけない」と強調した。