柿谷、7戦ぶりも…笑顔なき同点弾

 「国際親善試合、ベルギー2‐3日本」(19日、ブリュッセル)

 1ゴール1アシストを決めた勝利の立役者は、一瞬もニコリとはしなかった。試合後、柿谷は「申し訳ないですし、ホッともしてない。いままで試合をやってきて、結果を残せなかったという事実は変わりません」。敵地で強敵ベルギーを倒し、ほかの選手たちが喜びをにじませる中、柿谷だけは口を真一文字につぐんだ。

 前半37分、酒井宏からの絶妙クロスに合わせてベルギーの2人のDFの間へ入り込み、ヘディングで同点弾を決めた。「すごいいいボールやったんで飛び込むだけでした。ずっとゴールを決めたい気持ちはありました」。でも柿谷は笑わない。後半18分には相手DFラインの裏へ浮き球を放り込み、岡崎のゴールをアシストした。

 国内組だけで戦った7月の東アジアカップで代表デビュー。計3ゴールを決め、ザッケローニ監督に認められ、その後は海外組を含めた“フル代表”でセンターフォワードとして定着した。だが6戦連続でゴールが決められなかった。

 3日前のオランダ戦では、先発を譲った同じ23歳の大迫がゴール。柿谷は大迫に代わって途中出場したが、絶好の決勝点のチャンスを外した。

 「いろいろうまくいかなかったことが、全部が自分のためになる。成長するための課題が出たんで、チームに持ち帰ってやるだけです」

 若いころから将来を嘱望されたが、荒削りゆえフル代表ではなかなか活躍できなかったストライカーが、いま地に足を着け、しっかり来年のW杯本番を見据えている。

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